6年前の8月28日、県内は佐賀市で1時間に110ミリの降水量を観測するなど、記録的な豪雨となりました。佐賀市大和町のある地区では災害時の地域の危険について風化させることなく語り継いでいこうと豪雨の記録を冊子に残すことにしました。
【川野優也リポート】
「あちらの奥には車が動けなくなっている様子が確認できます。左側にはハザードランプをたいた乗用車、右側にはタクシーが止まっています。動けなくなっています。今中央から車が1台来たが、大きな波を立ててゆっくり進んでいる状況です」
2019年8月、県内では、佐賀市で1時間に110ミリ、白石でも1時間に109.5ミリの、観測史上最大の雨量を記録。
【大川内健人リポート】
「佐嘉神社前は通行止めになっています」
【原有祐美リポート】
「佐賀市の国道です。今通行止めになったようです。かなり高い位置まで水が来ています」
【川野優也リポート】
「どこが川でどこが道路なのかまったく境目が分からなくなっています」
県のまとめによると、この大雨で3人が亡くなり、3人が重傷、5つの市町あわせて87棟の住宅が全壊したということです。
また、2年後の2021年には、九州北部地方で線状降水帯が発生。
【ヘリリポート】
「町全体が水に覆われている様子が見えています。濁った水に町が覆われています」
24時間降水量が多いところで400ミリを超える大雨となりました。
Q.「防災会ができたきっかけは?」
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「佐賀豪雨。令和元年と3年目に立て続けに佐賀地区で起こった。小川地区も大変な被害があったそれがきっかけにしてできた」
佐賀市大和町の小川地区では2度の大雨を経て地区の防災会が立ち上がりました。
メンバーの廣重さんは、2021年の豪雨発生時の地区の様子をこう話します。
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「左手の方から土石流が発生・この辺は幼木・全部土石流で南側に流された。ハウスも土石流で流されて、全滅」
また、こちらにある電柱には、大きな石が衝突しくの字に折れてしまいました。一部の住宅には電気が通らなかったほかあふれた河川の水が住宅地内に流入するなど避難場所から家へと戻れない人もいたということです。
【小川地区自主防災会・大坪一徳さん】
「ここまでなるかなって大きい岩がゴロゴロしとるこういうのが高速道路まで行って我々もゆっくりされんやった」
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「下流域の民家に土石流が入った。そこの土のう積みを消防団にお願いして、炊き出しもしてもらった、人を動かすのが一番大変だった」
これらの災害を教訓にしようと、自主防災会では1年程かけて、豪雨の被害などを記した冊子作りに取り組みました。
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「この地区は、急激に人口も増えて新しい住民の方が、どこに危険があるかをわかってなかった。それをみなさんに周知するためにも作った」
冊子は17ページにわたり豪雨の概要や、被災状況、土砂災害のハザードマップやその後行われた緊急治山事業について紹介。
現在約300部が作られていて、自主防災会が、豪雨発生以降毎年行っている避難訓練や救急訓練のときに参加者などに配っているということです。
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「被害があってどういう風に改修工事して元通りにしたかというのを記録にとどめとかないと、みなさんわからない。将来的には、全世帯配布を考えている」
Q.このダムは佐賀豪雨がきっかけでできた?
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「そうそう」
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「これは佐賀中部農林事務所がすぐに来てここに作ろうということで説明会はあった」
【小川地区自主防災会・大坪一徳さん】
「これはしないと危ないということでしょうね。土石流がいちばん上からきたときものすごかった。岩肌が見えてびっくりした。こんなのがゴロゴロ落ちてきて土石流ってすごい」
【小川地区自主防災会・田中敏行さん】
「これができてから大きな災害は今のところない」
いつ起きるか分からない災害に備え、自主防災会は、小川地区の安全を守るため今後も活動を続けます。
【小川地区自主防災会・廣重和也さん】
「大雨豪雨災害には敏感にならないといけない。地道に毎年訓練を重ねて、住民のみなさんに周知・徹底をしたい」