チノパンやポロシャツで勤務する広島県警の警察官。
これまで制服以外で勤務する警察官はスーツの着用が基本でしたが、今年4月からビジネスシーンに適したカジュアルな服装、「オフィスカジュアル」での勤務を推進しています。
業務で防犯カメラの映像を集める砂田巡査部長は会社などを訪問する際、どんな服装が良いのか悩んでいました。
【県警捜査支援分析課・砂田和也巡査部長(32)】
「出来るだけ動きやすい服装を着ているがオフィスカジュアルと言われても基準が分からない。どの程度がオフィスカジュアルになるのか分かっていない。かなりラフな格好をしているが、これが大丈夫なのか分かっていない」
こうした戸惑いの声をうけ、県警は28日、初めて「オフィスカジュアル」の着こなしを学ぶセミナーを開催しました。
【野川キャスター】
「オフィスカジュアルスタイルセミナーが始まりました。参加している皆さんの服装を見るとちょっと堅いかなという方が多い印象です」
衣料品の販売を手がける「はるやま商事」の社員が講師を務め、県警本部に勤務するおよそ50人の警察官などが参加しました。
【はるやま商事・武内大明 課長】
「オフィスカジュアルを導入してください。あすから着てくださいと言われても何を着たらいいんですかと言う客が一般企業を含め皆さん困りごと」
講師から勧められたアイテムを試着した警察官。
男性ファッションで一番のオススメはジャケットとスラックスの組み合わせ。
上下どちらかに明るい色を取り入れることでメリハリがつき、ファッション性が向上するということです。
女性ファッションのトレンドは4つのボタンがあるダブルジャケットのセットアップ。
ボタンを外すことでふわっとした柔らかい印象を与えます。
【県警警務課・甲斐愛美 主任】
「あまりカチッとしていないので自分らしさ個性を服装に出せるそこがとてもいいと思います」
服装に悩んでいた砂田巡査部長はポロシャツにジャケット、スラックスを着用。
元々履いていたスニーカーはオフィスカジュアルに当てはまるということで、そのまま取り入れました。
【県警捜査支援分析課・砂田和也巡査部長(32)】
「こういう格好なら大きな企業に行く際にも失礼のないように行ける。カジュアルの中でも締まった印象を相手に与える。普段着ているTシャツ、スラックスよりも相手に好印象を与える」
【広島県警・秋本慎二 警務課長】
「白いシャツにスラックスの服装が警察官には多い。もう少しバラエティに富んだ服装になればコミュニケーションの一つのツールになると思う」
県警はオフィスカジュアルを導入し警察の堅いイメージを払拭することで、去年、志願者数が過去最少となった現状からの脱却を目指しています。
<スタジオ>
ここからは取材をした野川キャスターです。
【野川キャスター】
はるやま商事によりますと、オフィスカジュアルを導入することで良いことが目白押しだということです。
1)快適な服装は従業員のストレスを軽減し生産性の向上につながる。
2)スーツよりも動きやすく服装を気温に合わせやすい。
3)服装の選択肢が増えることで自分を表現することができ、モチベーション向上につながる
一方で、問題点もあります。
1)服装の判断基準があいまいで従業員によってオフィスカジュアルに対する価値観が違う。
2)明らかにカジュアルすぎる、派手な色や柄の服などはビジネスシーンにはそぐわないリスクがある。
こうしたことからはるやま商事は官公庁や民間企業などでオフィスカジュアルのセミナーを行っています。