日本維新の会の石井章参議院議員が、勤務実態のない人物を公設秘書として届け出て、国から給与を不正に受け取っていた疑いがあることが分かりました。
東京地検特捜部は27日、家宅捜索に入り、強制捜査に乗り出しました。
今回、強制捜査を受けたのは日本維新の会の石井章参議院議員(68)です。
茨城・取手市出身、2009年に衆院選から初当選。
この時は民主党から立候補していました。
そして、2016年、2022年と参院選に当選しています。
現在は参議院で「国土交通委員会」や「決済委員会」の委員、「消費者問題に関する特別委員会」の委員長を務めています。
今回、鍵となるのが「公設秘書」です。
「公設秘書」は、国会法で国会議員1人につき3人雇用できると定められていますが、石井議員は勤務実態のない人物を公設秘書として届け出て、国から給与を不正に受け取っていた疑いがあるということです。
青井実キャスター:
パックン、我々の税金を不正に受け取っていた疑いがあるということですね。
SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
こういう、特に秘書の給与関係の不正疑惑が定期的に浮かぶのは、すごくビックリするんですよ。毎回国民は怒りますし、毎回捜査があるのに学んでいないと感じますよね。我々の税金ですから、会社の経理と同じように使うたびに厳しいチェックを制度の中に盛り込んで、これから改善してもらいたいですね。
秘書給与を巡っては過去にもいくつかの例があります。
2022年から2023年にかけて、当時、自民党に所属していた元参議院議員の広瀬めぐみ氏が、公設秘書として勤務実態のない人物を届け出。
給与など350万円余りをだまし取った罪で有罪判決を受け、懲役2年6カ月、執行猶予5年となっています。
このように不正に対して度々捜査のメスは入っているわけですが、秘書の勤務実態を全て把握するのは難しく、議員側の届け出に基づいて行われているというのが実態ということです。
ここからは、捜索が行われている石井議員の事務所が入る参議院議員会館前から、フジテレビ社会部・小溝茜里記者が最新情報をお伝えします。
捜索開始から5時間以上がたっていますが、事務所の扉の前には多くの報道陣が詰めかけていて、午後3時50分現在も段ボールなどを持った特捜部の係官らが慌ただしく出入りしている状況です。
今回、東京地検特捜部が家宅捜索に入ったのは、参議院議員会館にある石井議員の事務所や茨城・取手市にある地元事務所などです。
参議院議員会館内の事務所には、午前10時20分ごろから特捜部の係官数人が捜索に入っていくのを確認できました。
──今後の焦点は石井議員本人の関与の有無だが、特捜部は本人から話を聞いている?
特捜部は石井議員本人を含め、関係者から事情を聴くものとみられています。
そして国会内で取材に応じた、日本維新の会・中司宏幹事長は「本人とはまだ連絡が取れていない」と発言しています。
今後は捜索で押収した資料を分析するなどして、秘書給与をめぐる資金の流れの解明を進めるものとみられます。