カープの大瀬良大地投手にフォーカスします。投手陣最年長で迎えた今シーズンの心境の変化や毎年進化を続けるピッチングのことまでTSS野球解説者の山内泰幸さんがインタビュ-しました。

背番号14・大瀬良大地。
プロ12年目を迎える今シーズンも先発の柱としてここまで19試合に登板。
開幕からローテーションを守り続ける右腕に山内さんが直撃です!

【14 大瀬良大地 投手】

― シーズンここまで自己評価いかがでしょう?

【14 大瀬良大地 投手】
「ケガなく離脱せずにローテーションを守れているところが、まずはいいのかなと思うんですけど、もちろん勝ちが先行するのが理想ですけど、そこに固執しすぎるのも良くないので」

- 年数を重ねる中で、別に勝ち星がなくても自分のピッチングをすればよいという考えに変わってきました?

【14 大瀬良大地 投手】
「今はそっちの方が強いかなと思います。まずは任された試合で、しっかり仕事ができたところで納得して、次(の登板)という考えを持つようになりました」

チームの勝利のためにマウンド上で腕を振り続ける右腕は今シーズンから投手陣最年長に。
後輩たちを引っ張っていくために意識していることを聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

【14 大瀬良大地 投手】
「結構みんなしっかりしていたりもするので、なんか変にこっちから助言することで意識しすぎちゃうところもあると思うので、最年長だからやんなきゃという思いでやるのが向こう(後輩)にとっては、『大丈夫です…』みたいになるのもあれなので。逆に気を遣いながらやっています」

- (周囲から)見られている意識はありますか?

「ありますね」

― 見られているところに対して、何か意識してやっていることは?

「普段の練習の姿とか、マウンド上での立ち居振る舞いとかそういうところで。僕が散り乱したりとか、投げやりな姿を見せちゃうと、『あれでいいんだ…』と思われちゃうと思うので、結果もそうだし、結果じゃないところでも色々なことを考えながらやらなきゃと思っています」

投手陣最年長として、背中でチームを引っ張っている大瀬良投手。
その中で山内さんは今シーズンのピッチングに変化を感じていました。

- チェンジアップが増えてきたのかなと

【14 大瀬良大地 投手】
「そうですね。そこは昨年とは変わったところですね」

実際に去年の球種割合と見比べてみると、昨シーズン、チェンジアップはほとんど投げていませんでしたが、今シーズンからはチェンジアップの割合が増加。
さらに持ち球の中で最も空振りを奪える率が高いなど、大きな武器となっています!実は今シーズンのチェンジアップ進化の裏にはある人物の存在が…。

【14 大瀬良大地 投手】
「去年の前半、オールスターが終わる前までは全然頭の中にも使える球種だと思っていなかったんですけど、(昨年も含め)野村コーチにチェンジアップの握りと投げ方と毎年毎年聞いていたんですけど…」

昨シーズン現役を引退し、今シーズンから3軍投手コーチなどを務める野村祐輔コーチ。

現役時代は多彩な球種が持ち味でしたが、その1つが、バッターのタイミングを効果的に外すチェンジアップでした。
実は大瀬良投手、野村コーチの投げ方を参考にしてきたそうで、ついに今シーズン、自分の納得できるボールに辿り着きました。

【14 大瀬良大地 投手】
「(今シーズン)やっと手応えを掴むようになって、最初は左バッターに使っていたんですけど、今年は右にも関係なく投げるように、カウントを取ったりとか、勝負球にも使うこともありますし。自信を持って投げられるようになった」

- それによってバッターの反応って変わってきました?」

「最初はチェンジアップに対する反応が真っすぐのタイミングで来て、来てない空振り。少しそこを意識してくれるようになると、球速が乗っていないストレートでも振り遅れてファウルになるケースが増えたりとか、っていうことは増えたかなと」

プロ入り後から貪欲に成長を求め、努力を積み重ねてことしで12年目。
7月には節目となる通算1500投球回を達成しました。
これまで不調に苦しんだ時期もあった中で、自らを奮い立たせたのは1軍へのこだわりでした。

【14 大瀬良大地 投手】
「どんな状況になっても諦めずに1軍のマウンドで投げるんだという思いとイメージだけはずっと持ってきた。数年前とか全然うまくいかない年が2年ぐらい続いたりとかもあって…(ただ)どんな時でも諦めずに体のことを勉強したり、投げるメカニック的なことを勉強したり、1000イニング、1500とかそんな4桁の数字なんて想像もできていなかったですし、良く投げさせてもらったなあと思いながら」

現在チームはBクラスも、クライマックスシリーズ出場圏の3位までは3ゲーム差。
上位争いで負けられないシーズン終盤に向け、大瀬良投手は強い決意で臨みます!

【14 大瀬良大地 投手】
「現実的にみると3位とか2位とか、ゲーム差が近いところというのはね、まずはそこを目指してやっていかなきゃいけないと思いますので、全然狙える範囲にいますし、勝ちを増やしてみんなで一体感を持ってやっていく。これに尽きると思うので、しっかり一戦一戦頑張りたいと思います」

テレビ新広島
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