地域の結びつきや関わりが希薄になったと言われる今。人と人とのご縁をつなぐイベントが開催されました。その舞台となったのは、「意外な場所」でした。

広島市安芸区にあるお寺、専立寺(せんりゅうじ)。
500年以上前に建てられ、古くから地元の人に親しまれてきたお寺です。
先週土曜日の午後、お寺に集まる人たち。

今夜開催されるのは、「ご縁ライブ真夏の世の夢」。
お寺の門徒が企画して5月から準備を始めました。
会場では、来場者をもてなす食べ物も用意されます。

【地元有志】
Q:地元産の夏野菜ですか?
「そうです。肉はちょっと英語圏の・・」

地元で採れた夏野菜たっぷりのカレーも作りました。

【地元有志】

Q:ご飯を何合?
「いくら炊いたかって。5升。何合じゃなくて5升」

安芸区阿戸町は、広島市中心部から車でおよそ1時間。
東広島市と境を接し、周りを山に囲まれた地区です。

2018年の調査では、人口およそ2100人。
少子高齢化が進むのは、他の地域と同様ですが、これまでホタル祭りや子供たちが主役になる神社の祭りなど、住民が力を合わせて地域を盛り上げてきました。

夕方、地元の人たちがやって来ました。
スタッフの動きも慌ただしくなります。

【地元有志】
「男の人で(お酒を)飲む人は、まだカレー食べないからね」
「女の人はカレー食べる?」
「聞いてこようか」
「バタバタ。おしゃれにしようと思ったけど所作がおしゃれじゃないよね」

お寺の境内が集いの場に変わっていきます。
50人以上の人が集まり、予想以上の盛り上がりです。

【参加者】
Q:こんな集まりはいかがですか?
「滅多にないからいいです。楽しいです」

あたりが真っ暗になる頃、パフォーマンスが始まります。

広島出身で、現在、ニューヨークと広島を中心に活躍する法竹(ほうちく)奏者、川口賢哉さん。
「法竹」とは、尺八に似た楽器です。
広島在住の舞踏家、ルーミンさんとコラボしたパフォーマンスが始まります。

みんなが触れる事が少ないエンターテインメントに出会う機会を作る事も、ご縁ライブのこだわりです。

地域のご縁をつなぐ初めてのイベントが終わりました。

【参加者】
Q:またやった方がいい?
「そうですね。またぜひぜひ次も来ますので」
「若い人が地元のコミュニティーに集まって来ないという事はすごく感じます」

Q:こんなイベントはいい?
「いいと思います」

【専立寺・和泉侑証住職】
「お寺を人と人との縁を繋ぐ場所になる、そういう思いを持ってもらってありがたく感じました」

地域のつながりが希薄になる事は、高齢者や子供の見守り、そして防災の面からも問題が指摘されています。

【専立寺・和泉侑証住職】
「思いはあったのですが、自分が思うだけで形にする事が出来ていなかったので」

地域の住民が企画し、力を合わせて始めたイベント。
お寺を舞台にした、「ご縁ライブ」。
地域のつながりを結ぶ取り組みが始まりました。

テレビ新広島
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