地域住民へのお知らせや連絡事項などを記した文書を、各家庭が順番に回していく回覧板。
子供のころ家族に「お隣さんに届けてきて」と言われた経験がある方もいるんじゃないでしょうか。
そんな回覧板が、時代とともに変化しているというんです。
というわけで26日のテーマは「回覧板デジタル化に都が助成?」ソレってどうなの?です。
地域内の情報共有に役立つ回覧板。
街の皆さんに「今、使ってますか?」と聞いたところ、「小さい頃に隣の家に回したことあります。最近は回覧板自体がないかな」「ないです全く。回したことも見たこともないです」「私の家はないが祖父母の家に来た回覧板を回した。そのときはすごく新鮮だった。回覧板を回すというのが。『こういうのがあるんだな』という感じで回した」などと答えてくれました。
若い世代はなじみが薄いようなんですが、地域によっては「よく回覧板回ってくる。読み終わったら判を押して隣の家に渡すようにしている。読み終わって判を押したら、すぐ。みんなお仕事して(家に)いないから、ポストに入れておく」「隣の家から回ってくるんで、あまり見ないけどただ回すのはやる」「きょうも回しに行くの。受け取ってくれる人がいればいいけど、いなかったら帰ってくる」と今も回覧板を使っているという方もいらっしゃいました。
そんな中、町内や自治会運営の活性化や効率化を図って負担を減らすことで幅広い世代にも加入してもらおうと、回覧板や会費の徴収のデジタル化にかかる費用を東京都が全額助成するという取り組みを始めました。
電子回覧板を用いた情報の伝達と共有や、QRコード決済を活用した町会費のデジタル徴収を支援するということなんです。
2025年度は試験的な取り組みで、8月29日が申請の期限となっています。
では街の皆さん、このデジタル回覧板についてどのように感じているんでしょうか。
70代:
私はスマホがいい。スマホ見てOK、それでいいと思う。区役所は一生懸命やってますけど、あまり周知してないところもある。
20代:
電子化してくれた方が、子供とか気軽に家族一体で見られるんじゃないかと思う。電子化のほうが絶対にいいと思う。
一方で、今までどおり紙の回覧板がいいという方も…。
70代:
年寄りがいるので電話の詐欺とか、こういう電話は怪しいのでとか、古い団地なので年配の方が多いんですよ。だからそういった面でも回覧板の方が。スマホとか使いこなせない。
10代:
周りの家の人との関わりって大事だと思うので、スマホですぐに見られるよりは自分で回したりする方が大事だと思う。
実際にデジタル回覧板を導入している町会がありまして、どう感じているのか取材しました。
豊島区の上池袋町会では、紙の回覧板を残しながら2023年からLINEの公式アカウントを立ち上げて電子回覧板をスタートさせました。
地元のお祭りのお知らせなどもスマホで確認できます。
広報部長の加藤さんにデジタル化のきっかけを聞きました。
上池袋町会 広報部長・加藤一肇さん:
町会活動自体知らないので、(町会を)知らない方に正確な情報をいかにして届けるかが大事。町会員以外の方でも回覧板が見られる環境をつくることを1つの目的としてやっている。
デジタルの回覧板を導入するメリットについて加藤さんは、「電子版の場合は若い方が参加しやすいというか、今まで回覧板が届いてない方にもデジタルだと届けることができる。家にいても見られる。タイムリーに必要な情報を届けられるところがデジタル版のメリット」と述べました。
その一方で、紙の回覧板も残している理由については「紙の場合は届けるときにピンポンしなくてもポストに入れたりする。1~2カ月、回覧板が止まれば、前の人が止めてしまっていて何かあったかなと心配にもなる。コミュニケーションの一部が紙の回覧板のいいところ」と語りました。
また、今回導入される都の助成により、町会費のデジタル徴収などが進めやすくなるのではないかと期待していました。
都の担当者は電子回覧板の助成金の申請について、現段階で「そこまで集まっていない」としていますが将来、この回覧板どうなっていくのか注目です。