富山大空襲の体験談を絵で表現することで継承し、記憶をつないでいく取り組みが、富山国際大学付属高校ではじまりました。
この取り組みは、80年前の富山大空襲の記憶を絵画にして継承しようと、親子3世代で語り部として活動する富山国際大学付属高校の西田七虹さん(2年)が企画したものです。
*富山国際大学付属高校2年 西田七虹さん
「新しい活動をしていかないと体験者が亡くなられている中、継承活動が進まないという課題がある。若い世代がアクションを起こすことによって同じ世代、下の世代、大人の世代にも何か影響を与えられるのではないかと思い企画した」
高校生が戦争の記憶を絵で表現する取り組みは、被爆地である広島市の基町高校でも2007年から行われていて、被爆の記憶が美術を通じて、次の世代に継承されています。
25日は富山大空襲の語り部で西田さんの祖父、佐藤進さんが高校を訪れ、美術部員6人を前に体験を語りました。
*富山大空襲を体験 佐藤進さん(90)
「とにかく過激なシーンばかり。焼い弾が周りにボソボソ落ちて、4人家族、布団をかぶってうずくまっていた。そこに焼い弾が落ちてきた。今考えるとよく直撃を受けなかった」
生徒はメモをとりながら、空襲から避難する時の状況について質問するなどして、体験者の言葉を絵で表現するための参考にしていました。
*富山国際大学付属高校2年 西田七虹さん
「空襲で逃げている時、周りの人はどのくらい密集していたか」
*富山大空襲を体験 佐藤進さん(90)
「人数は少なかった。父親は富山にいなかったが、人のたくさん集まるところには逃げるなと絶えず母に言っていたそう。だからみんな行くところには行かなかった。それも正解だった」
この取り組みでは、4人の体験者から富山大空襲の話を聞いた後、来月下旬にも作品の制作を始め、年内の完成を目指すということです。
*富山国際大学付属高校2年 大塚彩音さん
「爆撃の前の食料難とか終わった後の自分の国はどうなるのだろうという不安感がすごく心に残った」
*富山国際大学付属高校2年 古川優香さん
「絵で表現することも後世に残すことで高校生が参加した、絵を描いたと長年残るので、継承の新たな一歩になると思った」