近年は市街地でのクマの出没が相次でいることから、来月からは市街地で原則禁止されていたクマへの発砲が自治体の判断で許可されます。
これを前に、富山市で実地訓練が行われました。
訓練は富山市の県総合運動公園の敷地内にツキノワグマが居座った想定で行われ、県や市町村の職員や猟友会、警察などおよそ150人が参加しました。
参加者は80メートルほど離れた場所からクマに発砲するまでの手順などを確認しました。
現在の鳥獣保護管理法では、住宅が密集している市街地で猟銃を使用することは禁止されていますが、来月1日からは市町村長の判断で発砲できるようになります。
発砲には、人に銃弾があたるおそれがないなど4つの条件が必要で、参加者は、通行の制限や、避難誘導の流れなどを入念に確認していました。
*県 自然保護課 朝山弘康課長
「市町村のみなさんは銃に慣れているわけではない。法律の要件を確認して、安全な緊急銃猟を実施するのが一番大事」
県内でのツキノワグマの目撃・痕跡情報は今年すでに189件あり、(22日時点)例年のおよそ1.5倍となっています。
クマのエサとなる山間部の木の実は今年、不作となると予想され、秋以降、平野部での出没が例年より多くなる見通しです。
県は、法改正によってクマの出没に迅速に対応できるとしていて、今後も訓練を重ね、自治体とハンターとの連携を強化していきたいとしています。