ロビンソン氏:
仮にブラジル、つまり関税対象国から製品が来るとして話を進めてください。誰が財務省に小切手を書くのですか?
べッセント長官:
小切手を書くのは、米国の港で貨物を受け取る人です。
ロビンソン氏:
つまり、関税は米国内の輸入業者が払うということですね?
べッセント長官:
ブラジルの輸出業者が市場シェアを維持したければ、関税分を値下げして実質的に負担することもあるでしょう。
ロビンソン氏:
でも港で小切手を書くのは輸入業者ですよね?
べッセント長官:
(投げやりな口調で)うん(yep)。そして輸入業者はそれを転嫁することも、しないこともできるんですよ。
大統領の説明を逸脱しないようにぬらりくらりと答えをはぐらかせていたが、ロビンソン氏にとどめを刺されてしまった。
翌日の隔週刊誌ローリング・ストーン電子版は「トランプの関税は米国人が払うものと財務長官が認めた」と大きく伝えた。
冒頭のWSJの社説は、関税の消費者物価への影響はすでにインフレ統計などに反映されているとした上で、次のように警告している。
「もし関税による価格上昇が一時的であれ持続的であれ、より大きな賃金上昇で相殺されない場合、共和党は政治的な危険地帯に足を踏み入れることになるだろう。バイデン政権が犯した過ちと同じく、『経済は絶好調だ』と言い張っても、スーパーやファミリーレストランでの現実がそれと矛盾すれば、有権者は信じない」
(執筆:ジャーナリスト 木村太郎)
