仕事以外でスマホを見るのは1日2時間まで。
愛知県の豊明市が明らかにした全国初とみられる条例案ですが、なぜスマホは2時間までなのか、市長に聞きました。
生活に欠かせないスマホ。
1日どれくらい使っているか尋ねたところ、「ちょうど8時間ぐらいでした。YouTube大好き。常に垂れ流していることが多い」「午前中だけで(スマホ使用)5時間。TikTok見たりYouTube見たり、(1日で)2桁いくと思う」「朝晩ずっとです。寝るか食べるかスマホです」といった声が聞かれました。
スマホの利用時間を巡り、愛知・豊明市が全国初という条例案を発表しました。
「イット!」は22日午後4時ごろ、市長を取材したところ「余暇時間、余った時間、仕事とか学校とかではない時間に、2時間以内にスマートフォンの使用をおさめましょうと。それを目安として市民に呼びかける内容の条例案です」と話していました。
その名も「スマホ等適正使用推進条例案」。
全市民を対象に、スマホやタブレットなどの使用について、仕事や勉強などを除き1日2時間までと目安を示すものです。
睡眠時間を確保するため、18歳未満の子供は午後10時以降の利用を控えるなどとした目安も示しました。
豊明市・小浮正典市長:
私たちとしては、自分の生活とか睡眠時間や食事、いろんな人のコミュニケーションに支障がなければ、2時間が3~5時間になったところで全然問題ない。あくまで過剰使用を抑えていただきたい、健康に過ごしていただきたい。
仕事や勉強以外でスマホを使えるのは2時間。
豊明市民は守れるでしょうか?
豊明市民からは「10時間とか使っている。2時間?無理でしょ。仕事帰ってからなんもやることないので携帯とか見ちゃう。2時間は無理ですね」「ちょっとやだ。4時間ぐらいあればいい」「子どもには2時間でやってもらえるとありがたいけど、自分は2時間以上使っちゃうから何も言えない」という声が聞かれました。
それでは、市長のスマホ利用時間はどれくらいなのでしょうか。
豊明市・小浮正典市長:
びっくりした3時間57分。初めて見た。自分たちは天気のチェックをしないといけないので、いつも3時間くらいは一日使っている。それは全然かまわないと思う。学習、家事、体操するときもスマートフォン見ながら体操する人もいる。そういう使い方はどんどん使ったほうがいいと思う。とても便利ですこれは。
なぜ、条例案では余暇のスマホ使用時間を2時間までとしたのか。
豊明市内では、不登校の子供がスマホに依存するケースなどが複数確認されたことをきっかけに検討を進め、総務省の調査などを参考に適正な利用時間を2時間と判断したといいます。
条例化する狙いについて市長は「住民にとっては条例案として他の自治体にないのに、わざわざ豊明市だけがそういう条例案を作るということは重く受け止められると思う。それだけ重要だと我々が考えている。そういうふうに受け止めてほしい。誤解を生じかねないので、使いすぎていないかだけチェックしてください。住民に丁寧に説明していく必要がある」と話しました。
条例に罰則はないものの、保護者に対して家庭でのルール作りなど努力義務を課すとしています。
豊明市は、週明けに始まる市議会に条例案を提出。
可決されれば、10月1日から施行される予定です。
青井実キャスター:
なかなか難しいと思うんですけど、野村さんどうですか、スマホ条例。
中央大学法科大学院教授・野村修也氏:
法令というものが人の自由の領域に介入しすぎるというのは、あまり良いわけではないわけですよね。できるだけ自分たちの頭で考えて行動していくことを促していくことが大事で。今、実は法律を作る時にはエビデンスが非常に重要なんです。エビデンスがしっかりしてなければ立法する意味がないと皆、考えていますので。もし、2時間以内のほうがいいというエビデンスがあるのであれば、まずはそのエビデンスを市民に示して「2時間のほうがいいですよ」と促した上で、それでも無理だった時に条例化するというのが必要なんじゃないかなと。