国連は、イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザで、食料不足の最も深刻な「飢饉(ききん)」が確認されたと発表しました。
子どもを中心に命の危機が急速に拡大していると警鐘を鳴らしています。
「飢饉」は、食料不足の程度を表す国際的な指標の中で最も深刻な段階を示します。
国連のWHO(世界保健機関)などは22日、ガザ地区ではすでに50万人以上が飢饉に陥り、飢餓関連死や急性栄養失調が急増していると指摘しています。
特に子どもの状況が深刻で、2026年半ばまでに4万人以上の子どもが栄養失調で命を落とす可能性があるとしています。
また、妊産婦の栄養失調も急増していて、早産や低体重児の割合は5人に1人に上ります。
WHOのテドロス事務局長は「停戦は今や絶対的かつ道義的な義務だ」と強調し、即時の停戦と大規模な人道支援の実施を国際社会に訴えました。
これに対してイスラエルは、「報告書はねつ造だ」と反発していますが、国際社会から一層の圧力がかかるものとみられます。