兵庫・神戸市のマンションで20日夜、住人の女性が男に刃物で刺され殺害された事件。
現在も男は逃走中ということですが、犯人像について、フジテレビ・平松秀敏解説副委員長とともに見ていきます。
青井実キャスター:
犯人とみられる男は、被害者の後ろを歩き、あとをつけてオートロックをすり抜け、エレベーター内で“羽交い締め”にしていたということですが、被害者と顔見知りだったのか、それとも通り魔的なのか、その辺りはどうでしょうか?
平松秀敏解説副委員長:
これまで入ってきた情報では、顔見知りによる犯行なのか、通り魔的な犯行なのかは分かりません。ただ、事前に凶器を準備して、狙った相手のあとをつけて、マンションまで入り込んで犯行を遂げているわけですから、ある程度の計画性は感じられます。強い恨みを持った顔見知りによる犯行と考えるのが普通ですが、これまでに片山さんが警察に何らかの相談をするような、そういうトラブルはないと。さらに男は、マスクもせず、帽子もかぶらず、顔を隠さない状態で犯行に及んでいるとなると、これは通り魔的な犯行の可能性もあるんじゃないかという気がするので、いずれにせよこの両面で捜査は進められていると思います。
青井実キャスター:
気になるのはエレベーターに一緒に乗っているということですが。
平松秀敏解説副委員長:
エレベーターの中という逃げ場のない状態で襲われている。しかも、上半身に刺し傷が複数あるということは、この点だけ見ると、やはり強い殺意が感じられるんですが、“羽交い締め”にされているんです。そうすると、ひょっとしたら殺害以外の何らかの目的を持った男による犯行じゃないかと。そういう可能性もあると。
遠藤玲子キャスター:
今回、防御創もあるということなんですけれども、体を守る際にできる傷だと思うんですが、そこから何か分かることはありますか?
平松秀敏解説副委員長:
防御創って難しいんですけれど、過去の事件を見ると、例えば顔見知りの犯行の場合、不意を突いていきなり襲ったりした場合は目立った防御創はあまりつかないんです。ただ今回は、片山さんがどれぐらい抵抗したのか、防御創はどの程度あるのかという情報は入っていないので、防御創だけでは顔見知りかどうかは分かりません。
青井実キャスター:
計画的か、そうでなかったかという意味では、近くの駐車場に刃物が落ちていたということですが、この辺りはどうみますか?
平松秀敏解説副委員長:
捜査関係者によると、わざわざ駐車場の中に入って奥に捨てたとみられるということです。これはあくまでも私の見立てですが、場当たり的ではない証拠隠滅、凶器を隠そうとする意図を感じられますし、この現場というのは神戸の中心地ですよね。このあと逃走中に警察官から職務質問を受ける可能性がある。その時のために早めに凶器を処分したんじゃないかと。そういう見立てもたつと思います。
青井実キャスター:
野村さんは、神戸の中心地のこの事件、どう見ますか。
中央大学法科大学院・野村修也教授:
刃物が見つかったということが今後の捜査に大きな影響があると思うんです。刃物にはかなりの証拠性がいろいろあり、指紋が付いている可能性もありますし、場合によっては自分を傷つけて血痕が付いている可能性もあります。何より、どこで買ったのかということについての捜査が行われることによって、この背景や行動がつぶさに分かるようになりますので、今回、刃物が見つかったということは大きな進展なのかなと。
青井実キャスター:
捜査の行方はどうなりますか?
平松秀敏解説副委員長:
先ほど言いましたが神戸の中心地ですよね、防犯カメラがたくさんあると思います。今、日本の警察は防犯カメラのリレー捜査が本当に得意ですから、あくまでも私の見立てですが、そんなに容疑者特定まで時間がかからないのではないかという気がします。