富山県産の新米「てんたかく」が店頭に登場、価格上昇の中で消費者の選択肢広がる

富山県では実りの季節を迎え、今年収穫された県産新米の販売が始まった。富山市内の店舗でも早生品種「てんたかく」が店頭に並び、早速購入する消費者の姿が見られている。
地元店舗での販売開始

富山市の地場もん屋総本店では、21日午後から富山市産の「てんたかく」3キロ入り18袋が店頭に並んだ。一袋1800円と相場よりも安い価格設定で、多くの消費者が興味を示している。
ある買い物客は「うれしい。高くない。今夜さっそく食べたいと思う」と話していた。
今年の価格動向
「てんたかく」は高温耐性があるため、今年の夏の猛暑と少雨の影響は少ないとの見方があった。しかし、JAが提示した生産者への前渡金は1等米60キロ当たり2万6千円と、去年の当初額から1万900円高くなっている。このため、店頭に並ぶ新米は、昨年より価格が上昇する見込みとなっている。

備蓄米販売期限延長の影響
一方で、小泉進次郎農水大臣が備蓄米の販売期限を延長し、9月以降の販売も認める発表をした。この備蓄米放出の効果が新米の売れ行きにどう影響するのか注目されている。
備蓄米を扱っている富山市のファボーレのアルプラザ平隆博食品店長は「新米を買い求めている客、備蓄米を買う客の需要が違うので、買い分けされて新しいものと安いものを選ばれると思う」と話す。
備蓄米の販売延長について、ある買い物客は「選択の幅があって、延長されてよかったと思う」と評価する一方、別の買い物客は「いいと思うが、やはり新米を食べたいと思う。味は全然違う」と新米へのこだわりを示した。
今後の販売予定
ファボーレによると、備蓄米の入荷は未定だが、「てんたかく」の新米5キロ入り120袋が翌日店頭に並ぶ予定という。
その他の店舗でも、原信呉羽店では22日、アルビスは今週中、大阪屋ショップの全店では土曜日から「てんたかく」の新米の販売が始まる見通しとなっている。