トランプ大統領がスピード退院

一番知りたいニュースをしっかり深堀してお伝えするコーナー「ソレ!が知りたい」。10月6日のテーマは「トランプ大統領退院 大統領選に焦り!?」。

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佐々木恭子アナウンサー:
まず今回のスピード退院について体は本当に大丈夫なのか、感染症に詳しい昭和大学客員教授・二木芳人先生に聞いています。本来なら退院は早すぎるという前提のもとで理由を聞きました。

理由は二つあります。まだ本人がウイルスを持っている可能性があって周囲の人にウイルスをばらまいてしまう可能性もある。

そして今回ステロイド剤のデキサメタゾンを投与しています。一見元気になったように見えるが今後急変する可能性もあるので、まだ監視下に置いておいたほうがいい状態というのが昭和大学客員教授・二木芳人先生の見立て。

加藤綾子キャスター:
まだ安心できないという状況ということですよね。トランプ大統領の退院というのも私たちが捉えるものとはちょっと違う気がします。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦さん:
本当に回復しているのであれば、人間としては「おめでとうございます」と言うことですけど、選挙目当ての悪あがきだと私は思いますが、昭和大学客員教授・二木芳人先生もおっしゃっている通り、おそらく彼の主治医も行くなと言っているに違いない。それを無視して出て行くというのはいかがなものかなという気がいたします。

加藤綾子キャスター:
そうですね。今後の予定にも影響を与えそうな気がしますよね。

スピード退院の理由は大統領選への焦り?

佐々木恭子アナウンサー:
選挙目当てかどうか、ひとつバロメーターになりそうなのが今後の日程。注目すべきは10月15日に行われる第2回テレビ討論会がバイデン氏と共に行われますが、結構長時間になってきますので、この場に登場するのかが注目ポイントです。

佐々木恭子アナウンサー:
世論調査によりますと現在の支持率は、ペンシルベニア州ではバイデン氏が50%。トランプ氏45%と5ポイントリード。ウィスコンシン州でも6ポイントバイデン氏がリードしているのです。

今高齢者の支持が離れていっているのではないかという背景があるそうです。やはり自分自身が新型コロナウイルスに罹ってもその脅威を少し軽視するような言動がありました。やはりご高齢の方にとっては自分たちが重症化するリスクがあるので、さすがについていけないという声が上がっている。

加藤綾子キャスター:
このトランプさんのアピールがちょっと裏目に出ているような気がします。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦さん:
私は奇跡でも起きないといけないと思っています。おそらくこれで完全に回復することが大事ですよね。

討論会では確か72時間前に1回テストをして、陰性でないとやらないというルールがあったと思います。そもそも15日に行われるので12日の段階でやるかわからない。さらに元気になったとしても今度はもう心を入れ替えて「私はよく分かりました」と言って大統領らしく振舞うと、もしかしたらチャンスがでてくるかなと思います。

加藤綾子キャスター:
トランプ大統領はそういうことはあまりできないイメージですね。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦さん:
大統領らしく振る舞わないことで今まで勝ってきた人ですから。

政権中枢への新型コロナウイルス感染の拡大

佐々木恭子アナウンサー:
記者から「あなたはスーパースプレッダーだと思いますか」という非常に厳しい質問が飛んでいましたが、今もうひとつ逆境と言われているのが政権中枢への新型コロナウイルス感染拡大。

トランプ大統領が入院した10月2日にも記者団の前に姿を見せていたマクナーニ大統領報道官も5日ツイッターで陽性の検査結果が出たことを明かしているのです。

佐々木恭子アナウンサー:
さらにはトランプ大統領の周辺で今感染者が15人以上にも上ると言われていて、その中にはもう選挙の要の選挙対策本部長や共和党の幹部も感染していると言われています。

加藤綾子キャスター:
現段階で15人以上ということですよね。この後さらに広がってくる可能性もある。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦さん:
ホワイトハウスに帰ってもスタッフがいないかもしれないです。これで戦うのは大変だと思いますよ。

加藤綾子キャスター:
ご自身がペンス副大統領だったらどうしますか。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦さん:
トランプさんには近寄らない。何があるかわからないわけですから。やはり危機管理として自分は自分で隔離をしておいて、何かあった時には自分の仕事をちゃんとやる。

佐々木恭子アナウンサー:
その中でどうやって選挙を戦っていくのか。まずは10月15日に行われるテレビ討論会に登場するのか注目です。

(「イット!」10月6日放送分より)