今年の新米の流通価格に大きな影響を与える概算金が発表された。富山県産の主力品種コシヒカリの1等米は60キロあたり2万6000円と、前年から1万円の大幅な上昇となり、過去最高値を記録した。

県産ブランド米も軒並み価格上昇

全農富山が19日に発表した今年の富山県産1等米の概算金によると、ブランド米「富富富」は60キロあたり2万6800円となった。これは昨年の当初額から1万円高い価格設定である。また、県内の主力品種であるコシヒカリについても2万6000円と、昨年から1万円上昇した価格となった。
概算金とは、農協がコメを集める際に生産者に前払いする金額のことで、需給動向などを踏まえて都道府県ごとに設定される。この金額は、その後の米の流通価格を形成する重要な指標となっている。
高温耐性品種も値上げ

高温に耐性があるとされる「てんたかく」と「てんこもり」についても、生産コストがコシヒカリと同等であることを考慮し、同じく2万6000円に設定された。これは昨年の当初額から1万900円の引き上げとなる。
今回の概算金算出にあたって全農富山は、精米の小売価格が5キロあたり4000円を超えない価格を想定したとしている。
生産者と消費者の理解を求める
全農富山の西井秀将県本部長は今回の価格設定について、「生産者と消費者の皆さんがお互い納得できる価格をJAグループが主体的に形成することが最も大切。このような価格帯であれば4000円を超えない価格が実現できるのではないかと考えた」と説明している。
今回の概算金の大幅な引き上げにより、これから店頭に並ぶ富山県産の新米の価格も高値となる可能性が高い。消費者にとっては家計への影響が懸念される一方、生産者にとっては収入増加につながる可能性がある。
農業関係者や消費者団体からは、この価格設定が市場にどのような影響を与えるか、注目が集まっている。