ウイルス感染を予防する口内ケア

新型コロナウイルスの感染拡大はいまだに終息の兆しが見えない。
そんな中、シリーズで連載する「名医のいる相談室」では、各分野の専門医に病気の予防法や対処法などをわかりやすく解説してもらう。

第1回は、「ウイルス感染を予防するための口腔ケア」について、口腔外科医の名医・柴原孝彦先生に話を聞いた。

柴原孝彦先生
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歯周病、むし歯は要注意

<質問1>
新型コロナウイルスは歯からも侵入しますか?

柴原孝彦先生:
コロナウイルスは歯とか歯肉から入ることはありません
しかし、口の中の状態が良くない場合、例えば歯周病がひどい方、むし歯を放っておいた方は口の中に感染すると、いろいろな菌が繁殖します
ですから口の中をきれいにすることがとても大事です。

質問の「歯から感染しますか?」の答えは「NO」ですが、口の中をきれいにすることは必須です。必ずやらないとウイルスに感染しやすい環境にもなりますし、重篤化します

<質問2>
ウイルスが侵入する経路について詳しく教えてください

柴原孝彦先生:
これは鼻の穴と口です。小さな黄色いものがコロナウイルス。大きいものは花粉やPM2.5です。

柴原孝彦先生:
(穴の奥の)上咽頭の粘膜の表面が皮膜で覆われていて細胞を守っていますが、口の中の感染が非常に進んでくると、いろいろな菌が酵素を出します。
その酵素が表面の膜を破壊して小さなウイルスが入りやすい環境を作ります

コロナウイルスの重篤化は口内状態が関係

<質問3>
コロナウイルスの感染予防には口内の清潔が欠かせない?

柴原孝彦先生:
2002年にSARSが広東省で波及しました。2012年にはMERSが中近東で出ました。
これらはすべてコロナウイルスです。

それに罹患した方、重篤になった方、亡くなった方を見てみると、口の中が汚れている方が感染しやすかったり、亡くなっていたことが分かりました

コロナウイルスが現在のCOVID-19かどうかというデータは確かにないですが、同じ系統のコロナウイルスですので、たぶん同じような傾向になるだろうと考えています。
そこでお口のケアが大事です。

歯科治療は電話で担当医と要相談

<質問4>
歯科治療が途中ですが、通院を再開しても大丈夫でしょうか?

柴原孝彦先生:
治療をしなければ口の中の感染が広がることになるので、そうならないように歯科治療は継続すべきだと思います。

ただ、歯科治療にも緊急性を要するものとそうでないものがあります。
緊急性を要しないものは2,3ヶ月待って、コロナウイルスが消退したころに行くのがいいかもしれません。

ただ、緊急性を要するもの、歯の詰め物をしたり、むし歯の影響で根元に感染を起こしたり、歯周病の重篤な方に関しては待つことができませんので、即治療をして、感染源を抑えた方がいいと思います。
 

<質問5>
緊急性があるのかないのか。治療が即必要なのかそうでないかは、一般の方にはなかなか判断がつきませんよね?

柴原孝彦先生:
その判断をご自身がやるのはなかなか難しいので、担当の先生に電話をして確認を取ってください。

ご自身の判断でやめるのではなくて、歯科医に連絡をして指示を仰いでください。
決して歯科に行ってはいけないということはありません。