80回目となる終戦の日を迎えた8月15日、東海地方でも、各地で平和への祈りが捧げられました。

 名古屋市の愛知県護国神社で営まれたのは「献水祭」。のどの渇きを訴えて亡くなった戦没者に、遺族らが水を捧げました。

78歳の参列者:
「おじさんが亡くなって。自分の心を改めるような感じで地蔵さんにお水をかける、そんな感じだね」

 正午からは、1分間の黙祷。

76歳の参列者:
「亡くなられた方があって、今の平和な日本なので、感謝の気持ちで伺っています」

 同じく正午ごろ、三重県・伊勢工業高校のグラウンドで打ち上げられたのは、慰霊の「花火」です。

主催者の橋本理市さん(87):
「80年前、この紙一枚で、日本の若者たちが230万人戦場へいって命を落としました。一体この戦争は何だったのか」

 80年前、空襲に遭った伊勢。戦争の記憶を消してはいけないと、市民の寄付でおこなう花火も今年で4年目、戦没者の弔いと平和への願いを込めた15発が空へと上がりました。

伊勢工業高校の生徒ら:
「戦争について知らないことが多い若者に、こういった集まりを開いてくれることによって、みんなが1つになれたんじゃないかなと思います」

「戦争の時は悲惨なことがたくさんあったと思うので、祈る思いで花火を」

 美しい音色のアップライトピアノ。沢山のキズが刻まれています。80年前の8月6日、原爆が投下された広島で、爆心地から3キロの民家にあった「被爆ピアノ」です。

 このピアノを託され修復した広島県の矢川光則さんらが参加し、北名古屋市でコンサートが開かれました。

調律師の矢川光則さん:
「被爆者・戦争体験者は高齢で、語り継ぐ人が非常に減少している。被爆ピアノはまだまだ生き続けますので、これから果たしていく役目はますます大きくなっていくんじゃないかなと」

 終戦から80年、平和への願いが旋律となって、ホールに響きわたりました。

東海テレビ
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