8月15日は終戦の日です。太平洋戦争が終わって80年となりました。宮城県気仙沼市で戦没者追悼式が行われ、遺族などが戦没者を慰霊し平和を誓いました。
15日は、遺族や関係者などおよそ70人が参列し、正午ちょうどに黙とうを捧げました。気仙沼市では出身者や住民など2000人以上が太平洋戦争で犠牲になったとされています。
気仙沼市遺族会 伊藤一博会長(88)
「きょうで80年の節目を迎えた。戦争のつらさ悲しさを再び味わうことのないよう、進むべき道を正し恒久平和の大切さを語り継いでいきます」
参列者は、献花をして戦没者を追悼し平和への思いを新たにしていました。
戦争で父を亡くす
「生まれた時は、父は既に戦死していた。終戦の生まれなので父親の顔は知らない。いろいろ母親から聞いて育ったが、戦争は駄目」
「同じことを繰り返しては駄目。あの苦労を二度と若い人たちにさせたくない」
一方、仙台市青葉区では戦争と平和について考える集会が開かれ、去年ノーベル平和賞を受賞した「日本被団協」の代表理事木村緋紗子さんや、福島県の高校生が、平和への思いを語りました。
日本被団協代表理事 木村緋紗子さん
「原爆投下から80年。よくここまで生きながらえてきたと思っている」
木村緋紗子さんは8歳の時に広島で被爆し、父親など親族8人を原爆で亡くしました。
日本被団協代表理事 木村緋紗子さん
「自分たちの子供、孫、ひ孫ずっと本当に安泰に暮らせるように、人から力を加えられて死ぬのではなくて、やはり自然に死んでいきたいと、人間が生まれた以上は権利があります。生きる権利があります。戦争は人間の心で生まれるものであるから、人間の心で戦争は閉じることができます。絶対できます。それをやりましょう。皆さん」
集会では核兵器廃絶を訴える活動などを行う、福島県の「高校生平和大使」2人も平和について語りました。
高校生平和大使(福島) 半谷優亜さん(16)
「私たちがこうやって普通の日常を過ごしていけることにすごく感謝する。絶対に戦争があってはいけないとすごく思う」
高校生平和大使(福島) 長澤華咲さん(17)
「今各地で戦争があるように、私たちには声があるのに、その声を使わずになぜ武力で抑え込もうとするのか、世界の人たちが戦争をなくすために、努力をしていかなければならないと思う」
高校生や木村さんの思いは参加者に届いたようです。
参加者
「80年が経って終わりではなくて、これからも戦争の悲惨さや戦争はしてはならないということを、私たちが、若い世代こそがつないでいく必要があると感じた一日だった」