注目の米露首脳会談が日本時間の16日未明に行われる予定です。
開催地のアラスカ州を取材すると、住民の複雑な思いが垣間見えてきました。

オホーツク海に面するロシアの港湾都市「マガダン」から、30年ほど前にアラスカに移住してきた親子がロシア語で歌を披露してくれました。

テーブルに並んでいたのは、アメリカとロシア、そしてウクライナの国旗です。

娘・ズラータ・ランドさん:
(ロシアとウクライナが)一緒にいた頃があった。誰かが間に分断を設けました。二つの国の間に石を投げ、彼らは戦い始めた。

約160年前、アメリカは、当時財政難だったロシアから720万ドルでアラスカを購入し、ロシアはそのお金で鉄道を建設しました。

記者リポート:
草を食んでいます。ムースでしょうか。

海と山に囲まれた自然豊かなアラスカにはロシア系住民も多く、最大都市アンカレジにはロシア正教会やロシアの名前が入った公園などいたるところでロシアの名残が感じられます。

記者リポート:
チョコレートにはすべてロシア語が書かれています。

ヨーロッパの食材を扱うこちらのスーパーには、ベラルーシなどから輸入したロシアのお菓子やウクライナから輸入したお菓子が並んでいます。
このスーパーを営むグラバーさん夫妻は夫(のウラジミールさん)がウクライナから、妻(ジャナさん)はロシアから移住してきました。

ウラジミール・グラバーさん:
状況は本当に深刻だ。しかし、私は良い結末になると思う。なぜなら、プーチンとトランプが会うからだ。そのため、何かが起こるはずだ。少なくとも、この状況を止めるための何かを必ず起こさなければならない。

一方、アラスカでは、2022年のロシアによる侵攻後、ウクライナからの避難者が増え続け、1000人を超えているといいます。

弟がウクライナ軍の特殊部隊で戦闘に参加していたと言うアーツさんは、ウクライナのゼレンスキー大統領抜きで行われる今回の首脳会談に疑問を投げかけます。

アーツさん:
(米露首脳会談は)良いアイデアではないと思います。実際、ウクライナにとって何が良いかを決めることは誰にもできません。

ロシアとウクライナ、それぞれの住民の思いが交錯する首脳会談の地・アラスカ。
世界が交渉の行方を見守っています。

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