内閣府が「世界経済の潮流」を公表した。2025年の世界経済は、アメリカのトランプ政権による関税政策の影響を免れない見通しだ。
OECDは、アメリカの通商政策による高関税等の影響をうけ、アメリカ・中国の経済成長が鈍化。2024年に3.3%だった世界の経済成長率(実質GDP伸び率)は、2025年は2.9%に減速すると試算している。
トランプ政権による関税政策は、アメリカ経済にも不透明感をもたらす。
アメリカ国内の個人消費をみると、2025年1月のトランプ大統領就任後、関税率引き上げ前に駆け込み需要が発生し、その反動をうけて5月には消費が減少に転じて鈍化している。
また、駆け込み需要による輸入の急増をうけ、2025年3月にはアメリカで統計上、過去最大の貿易赤字となった。
ただ、関税引き上げによるコストの増加は、マージン圧縮により吸収されていて、アメリカの物価全体を押し上げる効果は限定的となる可能性があるとしている。
そして、対米貿易問題で揺れる中国経済についても、国内需要が伸び悩むなかで、足踏み状態が続く。
内閣府は、今後もトランプ政権による関税政策や各国の対抗措置などの動向に留意する必要があるとしている。