15日、中国・北京で始まった世界初の運動会。
競い合うのは人間ではなく人型ロボットです。

熱戦の舞台となる北京市内の競技場では14日夜、各競技に出場するロボット選手たちによる開会式が華やかに行われました。

キックボクシングの試合では、ピンクと黒のヘッドギアのロボット2体がリングへ。

すると、試合開始前から人間さながらの動きを見せます。

ファイティングポーズをとり、お尻をたたいて挑発する様子も。

いよいよ試合開始。
まずは黒ヘッドギアがキックを出すも、これは空振り。
対するピンクヘッドギアもキックを放つと、バランスを崩しながらも何とか持ちこたえます。

互いに決定的なダメージを与えられないまま、最初の1分半が経過。
すると、黒ヘッドギアが相手の足につまずいて、あえなくダウン。
レフェリーがカウントを取り始めますが、なかなか立てません。
しかし、見事ラスト1秒で立ち上がりました。

その後も人型といいながらも、さすがはロボット。
人間離れした技を次々と繰り出していました。

一方、競技場の真ん中で行われていたのはサッカーです。

軽いステップを踏みながら、ボールを追って動き回るロボット選手たち。
しかし、ボールを奪い合う中でバタバタと転倒。
中には自力で立ち上がる選手もいましたが、起き上がれないまま強制退場となる選手もいました。

さらに、競技場のトラックで行われたのは1500メートル走です。

コーナーに入ってもスピードを落とすことなく、うまく曲がって走るロボット選手。
ところが、コース上を歩いていた人間に後ろから衝突。
人間は転倒しましたが、ロボットランナーは転ぶことなくレースを続けました。

スポーツ競技だけではありません。
大会では、中国の古代遺跡で発掘された兵馬俑型のロボットがダンスパフォーマンスを披露しました。

観客は「見てとても良かった。わが国のハイテク企業もたくさん見られた」「良かった。将来はロボットを発明したい」と話しました。

大会には、日本を含む16カ国から約280チームが参加。
500体ほどのロボットが25の種目で17日まで熱戦を繰り広げます。

中国政府はハイテク産業の育成を目指す国家戦略を掲げていて、世界に向け技術の進歩をアピールする狙いがあるとみられます。