13日午後9時半ごろ、大阪メトロ中央線で送電線のトラブルがあり、一時3万人が滞留した。
この路線は、万博会場の最寄り駅の夢洲駅につながる唯一の鉄道ルートで、平常時間の午後10時近くに起きたトラブル。帰宅困難になった人たちで大混雑となった。
さらに追い打ちをかけたのが暑さだ。13日の大阪市の最高気温は34.7度で、午後9時以降も29度台の暑さが続いた。この影響で、36人が熱中症のような症状などで救急搬送された。いずれも軽症ということだ。
午後10時前には会場内に戻るようアナウンスが。自動販売機や無料の給水機の前には長い行列ができた。大屋根リングの下ではイスに横たわる人たちも。
大阪メトロは、14日午前5時半ごろに運転再開し、会場から全員が退出できたのは午前7時前だった。

■一夜明けた万博会場は
一夜明けた万博会場のアメリカ館前から中橋記者のリポートだ。
中橋記者:午後1時半現在、35度ほどと非常に暑いです。私は午前7時ごろから取材しているんですけれども、服の色が変わってしまうほど汗をかいています。改めて、きのう巻き込まれてしまった人たちは大変だっただろうと実感しています。お盆休みということもあって、非常に人が多いんです。こちらのアメリカ館は2時間待ちです。
アメリカ館では、午前6時まで帰宅困難者を受け入れた影響でオープンが遅れ、開場から1時間半後の午前11時に開きました。
午前11時までは列になることも禁止だったので、オープンと同時に人がたくさん訪れ、現在は最大の待ち時間ということです。来場者の皆さんは、炎天下の中、日傘などをさしながら並んでいます。

■14日の万博は30分遅い開場も 自販機は売り切れ
(Q:開場時間がいつもより遅いということだが、ほかに影響は?)
中橋記者:けさは万博会場自体のオープンが普段より普段より30分遅れました。多くの人が炎天下で待ち続ける中、問題となったのは飲み物の自動販売機です。万博会場で一夜を過ごした人もいたため、自動販売機は私が見たものはすべて売り切れとなっていました。
午前8時ごろに小学2年生の女の子と母親に話を聞きました。女の子の母親は、『開場まで2時間あるのに、水筒が空になってしまった。飲み物を買おうと思って自動販売機に来たら売り切れていた』と話し、女の子も『のどが渇いた』と話していて、熱中症対策にも十分注意が必要です。

■水や食料の配布、充電コーナーなど各パビリオンが対応
(Q:各パビリオンの対応は)
中橋記者:大阪ヘルスケアパビリオンでは、午前2時20分ごろに1500本ほどのペットボトルの水の配布、午前5時すぎにはパン350個を配布しました。
また、電力館では、充電コーナーを設置したということです。屋上を開放して、朝日を見られるような工夫をしたパビリオンもあったそうです。来場者からは、各パビリオンの自主的な支援がありがたかったという声が聞かれました。

■復旧に時間を要した理由は
鉄道に詳しい関西テレビの神崎博報道デスクによると、「過去にも数時間止まったことはありましたが、これほど長い時間止まったのは初めて」と解説する。
関西テレビ・神崎博報道デスク:中央線は上に架線が通り、パンタグラフから給電する仕組みではなく、3本目のレールが横に通っていて、レールから給電を受ける仕組み。そのレールの給電設備が停電のような状態になり、電気が止まり、どこで止まっていたかを探すのに時間がかかったそうです。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年8月14日放送)
