鹿児島県の霧島市に発表された大雨特別警報は、8日午後1時半に大雨警報に切り替えられましたが各地で大きな被害が出ています。

まだ地盤が緩んでいるところ、それから水位が上昇している河川もあります。
引き続き土砂災害などに厳重に警戒をしてください。

青井実キャスター:
では、鹿児島の雨の状況を矢澤剛気象予報士とともに見ていきます。

矢澤剛気象予報士:
まず、雨雲レーダーから振り返っていきます。8日の午前1時7分に鹿児島県内でまず1回目の線状降水帯が発生しました。このあと未明から明け方にかけて同じような地域でずっと発達した雨雲がかかり続けまして、午前4時47分に2回目の線状降水帯が観測されました。

その時の雨の映像を再現したバーチャル映像を見てみると、1時間に約100ミリの雨が降ったところもあり、数十メートル先の見通しも悪くなるぐらいの雨が降っていたと考えられます。車もタイヤまで浸水してしまうぐらいの雨が各地降っていたというわけなんです。

青井実キャスター:
竜太郎さん、明け方朝4時、5時とかですからなかなか避難、難しいですよね。

SPキャスター・中村竜太郎さん:
足元なんかも見えないですから、避難する時なんかは側溝であったりとか、排水溝マンホールのふたが開いてしまっている可能性もありますから、本当にそこは気をつけなきゃいけないと思いますよね。

矢澤剛気象予報士:
危険な状態になる前に避難していただくことも大切なことではあります。では、雨雲レーダーをこのあと動かしていきますと日中になりますと、だんだんと湿った空気の流れ込みが弱まりまして、雨も小康状態となってきている状態です。ただこの時間、西のほうからまた再び活発な雨雲が近づいてきているという状況なんです。では、これまでに降った雨の量を見ていきますと特に鹿児島県内で霧島市、2つの地点で500ミリ以上となりまして、観測史上1位の記録を更新しているわけなんですよね。

青井実キャスター:
今、小康状態ということですが、気になるのはこのあとですよね。

矢澤剛気象予報士:
このあと、また九州では雨が強まる恐れがあります。このあとの雨の予想を見ていきます。午後6時から動かしますと、いったん小康状態となっていましたが夜になると再び活発な雨雲が西から流れ込んできます。また、鹿児島県内など9日の午前中にかけて雨が強まりそうです。その後、明日の昼にかけては秋雨前線が北上する影響で九州北部でも雨が強まる恐れがあり各地、九州で警戒が必要となりそうです。

宮司愛海キャスター:
注意点ですけれどもこれから夜になってきます。避難が難しい場合は同じ家の中でもより高い場所に垂直避難や崖から離れるなど自分たちにできることをして命を守っていただきたいと思います。

青井実キャスター:
たっぷりと水、含んでますから本当に気を付けていただきたいと思いますが、7日は石川県で線状降水帯そして8日、鹿児島で大雨の特別警報ということで大雨、相次いでますよね。

矢澤剛気象予報士:
その原因となっているのが“異例の強さ”の秋雨前線なんですよね。秋雨前線は南の太平洋高気圧と北の秋の空気の間に発生しますが、今回は特筆すべきポイントが2つありました。その1つ目が、インドで大雨になっているんですがそこからはるばる暖湿気流が日本まで届いているということ。そして、異常なほどに気温も高くなっていますし、海面水温も日本周辺で高くなっています。この影響で水蒸気が多く発達した積乱雲が発生しやすかったわけなんです。

7日、これが北陸にかかって線状降水帯が発生。そして8日はこの前線が南に下がったため鹿児島で線状降水帯が発生しました。この先、3連休ですが前線がまた北上してくる恐れがありまして、関東など広範囲で注意が必要となってきます。

では、その雨の予想を詳しく見ていきます。9日の正午は九州中心に雨が強まるところが出てきそうです。そして、そのあと10日になると前線が北上してくる影響で関東なども広い範囲で雨。そして、福岡の辺り細長く、東西に雨雲が延びていますが線状降水帯が発生する可能性もゼロではありません。

そして、このあと11日にかけて前線が緩やかに北上していく影響で湿った空気の流れ込み、続きます。関東なども含めて月曜日にかけて広範囲で3連休は大雨が続く恐れがありますので警戒が必要となりそうです。

青井実キャスター:
夏休みで3連休せっかくの休みということで遠方にお出掛けになる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、雨の情報を適宜入手していきたいですね。