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ナリス化粧品は、世界で初めてハイブリッドローズ「月光」と乳酸菌のHOKKAIDO株®から作ったバラの発酵エキス(表示名:乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)/ハイブリッドローズ花エキス発酵液)を開発することに成功し、化粧品成分の国際共通表示名称INCIに、「LACTOBACILLUS/ROSA HYBRID FLOWER EXTRACT FERMENT FILTRATE」と登録しました。これは、自社バラ園「ナリス ローズガーデン」で栽培した化粧品成分開発のためのバラを研究してきたからこそ実現できたことです。この研究の希少性と秘密について、成分開発を行った研究者の佐藤裕太と「ナリス ローズガーデン」でバラの栽培に携わっている鎌田哲也に聞いてみます。

※世界初:INCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients 化粧品原料国際命名法)に新規登録された「乳酸桿菌/ハイブリッドローズ花エキス発酵液」を配合した化粧品として




―早速ですが、一般的には化粧品とバラは親和性が高いので、「バラの化粧品」は珍しいものではないと思われている人も多いようなのですが、ナリス化粧品のバラの化粧品の特徴を教えてください。



(佐藤)

そうですね。一般的な化粧品にはバラの香りがするものも多く、身近に感じておられる方が多いかと思いますが、化学香料で香りづけしたものがほとんどですね。またバラの栽培は難しくコストもかかるので、多くはヨーロッパなど海外から乾燥した花びらを輸入して製造した成分を配合している化粧品も多いのではないでしょうか。当社は1990年代に始めたバラが持つ肌の老化対策に関わる研究でバラが活性酸素を除去する効果があることを発見し、1996年に社団法人大阪工研協会から「工業技術賞」を受賞するなど、30年以上にわたりバラの研究に注力しています。また、宮城県登米市に化粧品成分開発のためのバラ園「ナリス ローズガーデン」を所有し、生のバラから抽出した成分を配合していますので、当社のバラの化粧品は国内でもかなり希少であると言えます。


―「ナリス ローズガーデン」について詳しく教えてください。 



(鎌田)

「ナリス ローズガーデン」は1万坪を超える敷地で1万株を超えるバラを栽培しています。風通しの良いハウスで栽培しているので、雨などに濡れて花びらが傷むことがありません。バラのいろいろな部位から美肌のための成分を開発することに挑戦していますが、やはり花びらが最も重要です。私たちはいかにして品質の高い花びらをたくさん収穫するかということを考えて日々栽培に取り組んでいます。



(鎌田)

花びらの品質を守るため、水や肥料なども地下にパイプを通して与えています。毎年5月ごろに咲くバラは、女性の両手のひらには収まりきらないほど大きな花を咲かせ、初めて見た人には「バラでなくて、シャクヤクやボタンのようですね」と言われることも多いです。現在は7種類のバラを栽培していますが畝ごとに同じ品種を植えていますので、見渡す限り同じバラが咲き乱れ、一般的なバラ園のように異なる品種のバラがたくさん並ぶ景色とはまた違う壮観な景色が広がっています。また、観賞用や園芸用のバラは基本的に春と秋をメインに花を咲かせる栽培方法が主流ですが、私たちは5月から11月くらいまで花を継続的に咲かせる栽培技術を持っています。




―路地植えのバラだと実現しない品質なのですね。摘み取りにも工夫があるとお聞きしました。



(鎌田)

当社では、すべて朝のうちに1輪1輪のバラの首から上の部分を人の手で摘み取っています。バラの持つチカラを活かすには、一日のうちでも潤いを多く含んだ朝のうちに採取することが大切です。また機械で摘み取るとこれも傷みに繋がりますので、職人によって手摘みして花びらやがくなどのパーツに分け、傷みがある部分も取り除いています。本来多くのバラは、美しい外観で人の目を楽しませたり、香りで人を癒したりすることで愛でられる植物だと思いますが、私たちが育てているバラは、美しさを持ちながらも人に愛でられることなく、最も美しい花の部分を手折られて化粧品になるのです。そのうえ、生バラから抽出している「バラエキス」は、約600輪(花びらでは約18000枚)重さで約3kgからたった1gしか取れないとても貴重なものです。私たちは、バラの持つチカラを最大限に引き出して化粧品に生まれ変わらせたいと思っています。




―バラのチカラを引き出すには、栽培や摘み取りをする人たちと研究開発者の連携が大事ですね。


(佐藤)

そのとおりです。今までに9種類のオリジナルのバラの成分の開発に成功していますが、当社の研究では朝摘みの花びらがバラのチカラを引き出すのに適していることの他にも、花びらの色によって肌に与える効果が異なることや花びら以外の部位にも貴重な有効成分が含まれていることなどもわかっています。これらは、これまでバラ栽培の技術者の協力のもとでノウハウを蓄積してきたからこそわかったことで、バラ園と密接に連携をとれることはとても貴重な研究環境だと思っています。今回、見出したハイブリッドローズの「月光」から開発したバラ発酵エキスも、この環境があるからこそ開発できたと言えます。




―今回のバラ発酵エキスについて詳しく教えてください。



(佐藤)

世界で最も園芸品種数の多いバラは、品種によって「活性酸素を除去する」・「肌に潤いを与える」・「肌に透明感を与える」や「女性ホルモンを産生させる」など様々異なるチカラを持っており、それが研究の楽しみでもあります。当社ではこれまで異なるバラの効果成分を複数組み合わせることにより、製品コンセプトとして目指す効果を果たす化粧品を開発してきました。今回の新成分は、ハイブリッドローズの「月光」という黄金のバラから抽出したものですが、これまでの研究から進化したことは発酵させることにより元々「月光」が持っていたチカラがさらに増強されたということです。「月光」はもともと単体でも素晴らしいチカラを持っていました。



①  角層部分でニトロ基と角層のタンパク質が結合して起こる肌の黄ばみの一因である現象であるニトロ化を抑制する効果

②  ニトロ化物を分解する効果

③  紫外線などで過剰に誘導されることで、肌の異常な角化や肌あれの原因となるアポトーシス(細胞死)を抑制する効果

④  細胞毒性を低減させる効果

⑤  糖化物を分解する効果

⑥  糖化を抑制する効果

⑦  角層細胞の接着因子の分解を抑制し、正常な角層剥離が行われなくなるカルボニル化を抑制する効果



(佐藤)

発酵は生きた微生物を利用した技術なので発酵条件を安定させるだけでも難しい上に、素材との相性が悪いと腐ってしまいますが、相性が良いと新しい効果を生み出すことができ、うまくいくか否かは紙一重でやってみるまでわからない挑戦でもあります。今回は様々な候補の中から、乳酸菌のHOKKAIDO株®を選んで掛け合わせてみましたが、乾燥した花弁では発酵がうまく進みませんでした。生の花弁と組み合わせたことで、「ニトロ化物の分解効果」・「アポトーシス抑制効果」・「低細胞毒性」の3つの効果が増強することがわかりました。その他の4つの効果についても減弱することなく同等以上の効果を保持することがわかりました。生バラを使うことができる当社のオリジナリティをうまく活かすことができ、うれしく思っています。







―総合的なアンチエイジング成分と言えますね。ハイブリッドローズ「月光」の発酵成分は世界で初めての成分ということですが


(佐藤)

そうですね。化粧品成分の国際共通表示名称INCIに、「LACTOBACILLUS/ROSA HYBRID FLOWER EXTRACT FERMENT FILTRATE」と登録しています。ただし、私自身は世界初の成分を開発できたことよりも、この新成分が発酵により従来の複数の有効性が増強されたことや、発酵しても人の肌への安全性が確保できたことの方がうれしかったですね。それができてこそバラの持つチカラや美しさを人の肌に生まれ変わらせることができるので、バラにとっても報われることだと思います。




―化粧品研究者と栽培の技術者のお二人のお話でしたが、お二人からはバラに対する愛情が感じられました。「ナリス ローズガーデン」では、予備ハウスに今後の開発のための新しいバラが植えられていると聞きます。今後の新しい可能性を引き出す研究や開発も楽しみです。





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