入院患者を殺害したとして12年間服役したものの、再審=やり直しの裁判で無罪が確定した西山美香さん(45)に対し、捜査を行った滋賀県警が直接謝罪する方針であることがわかりました。

西山さんは、滋賀県の病院で看護助手だった2003年、入院患者を殺害したとして有罪を言い渡され、12年間服役しましたが、再審で事件の存在そのものが否定され、無罪が確定しました。

しかし、滋賀県警や検察は当時の捜査に問題がなかったとする姿勢を一貫して崩さないことから、西山さんは捜査機関の責任を追及する民事裁判を起こし、大津地裁は先月、滋賀県警の捜査の違法性を認定しました。

判決で、大津地裁の池田聡介裁判長は、当時の滋賀県警の取り調べについて「西山さんが自発的に供述したような外観を作り出したほか、否認する内容の供述調書を作成せず、西山さんの自白が少なくても核心部分で一貫しているかのように見せ、うその供述を強く誘導のうえ行わせた」と指摘。

加えて、患者が痰詰まりで死亡した可能性に言及した捜査資料を検察に送っていなかったことについて「当時、捜査資料を検察に送っていれば、有罪判決が変わっていたと認められる」と、捜査の違法性を複数認めました。

この判決について、滋賀県警トップの池内久晃本部長は「今後の捜査活動において、二度と今回のようなことが起こらないよう、引き続き緻密かつ適正な捜査に取り組んで参ります」などと話し、控訴を断念すると明らかにしています。

こうしたなか、滋賀県警があさって=7日の午前11時から、西山さんに直接謝罪を行う方針であることが、西山さんの弁護団への取材でわかりました。

2004年に逮捕されてから21年、再審で無罪が確定してから5年が経過し、ようやく直接の謝罪が実現することになります。

関西テレビ
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