連日の猛暑とともに富山県内では水不足が深刻化しています。

魚津市の田んぼには緊急の給水作業が行われていますが、農家はコメの品質低下に不安を募らせています。

魚津市の山あいにある日尾地区です。

市内は7月の降水量が17ミリと観測史上最少となり、日尾地区では約2週間前から約1ヘクタールの田んぼに水を引くことができません。

市は地区からの要請を受け、急遽、給水車2台を手配しました。

合わせて約7トンの水を近くの小川寺川でポンプからくみ、車で数分先の田んぼに放水。

これを繰り返します。

*リポート
「こちらの田んぼ、けさから何度も給水していますが少し離れるとまだまだ水が
行き届いていません。カラカラでひび割れています」

*業者は
「5往復目。夕方くらいまでは…1日かかると思う」

一帯の田んぼで県のブランド米「富富富」を育てる元起さん。

暑さに強い銘柄でも水がなければどうにもならないと、今年のできに不安を感じています。

*農家 元起周史さん
「カラカラ。いま穂揃いしているので水がほしい時期」
「今週(の予報)は雨マークだが、渇きに渇いているので水は大量に入れないとちょっと怪しい。品質に(影響が)出るかなと感じている」

この危機的な状況を受け、市は先月下旬に渇水対策本部を設置し、4日に対応について話し合いました。

*魚津市農林水産課 館和生課長
「なんとかこの難局を乗り越えたい。下流の方では水が来ない田んぼが増えてきている。根本的な解決は雨ありき、明日からの雨でどうにか持たせられるか」

市は農業関係者に農業用水の節水を呼びかけるとともに、給水車のレンタルなど干害対策にかかる費用の最大50%を県が負担する事業を周知し、まとまった雨が降るまでの期間をしのぎたいとしています。

水道を小矢部川の支流、子撫川に頼る氷見市は、子撫川ダムの水位低下が続けば市内ほとんどの地域で水道水の供給量を減らす「給水制限」となるおそれがあるとしてダムの貯水量を注視しています。

小矢部川水系の子撫川ダム、水位を標高で表す貯水位は4日朝の時点で約94メートルと先月からの雨不足の影響で1日25センチのペースで低下しています。

この子撫川ダムが水道の唯一の水源となっている氷見市は、4日に幹部職員を急きょ招集し、渇水対策会議を開きました。

この中で、子撫川ダムの貯水位が4日より約1メートル低い93メートルを切った時点で市民に節水を呼びかけるかどうかを判断することとし、今後の貯水量を注視していくこととしました。

なお、子撫川ダムからは高岡市と小矢部市にも水道水が供給されていて、ダムを管理する県企業局は貯水量に比較的、余裕のある庄川水系の和田川ダムから水を融通する措置を早ければ明後日にも実施する準備を進めています。

富山テレビ
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