30日、ロシアのカムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード8.8の地震で、愛知県と三重県の沿岸部にも津波警報が出されました。31日午前には、東海3県に出されていた警報や注意報はすべて解除されましたが、影響は各地に及んでいます。

■津波で入港できず…海上で「不安な一夜」

北海道・苫小牧から、名古屋港に向かっていた太平洋フェリー「いしかり」は、津波警報や注意報が発表されているため、仙台港に入港できず、海上で一夜を過ごしました。

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北海道で仕事を終え、名古屋に戻る予定だった男性は…。

乗客の男性:
「この海域に24時間ぐらいいると思います。昨日の夕方とかは長くなりそうな雰囲気があったので、(船内の)売店で食料を買われる方が列を作っていました」

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この影響で、名古屋港にフェリーが戻ってきていないことから、31日に名古屋を出発する便は、午前11時に欠航が決まりました。

欠航を知らずに訪れた人:
「友人の車を苫小牧に送らなきゃいけないので持ってきたんですけど、欠航だと知らなかったので持ち帰ります」

■「サーフィンの聖地」も…人影はまばら

30日夜に50センチの津波を観測した田原市赤羽根の海岸は、全国有数のサーフィンのスポットとして知られていますが、一夜明けた31日の朝、サーフィンをする人の姿は見られません。

海岸近くには、赤と白の格子模様に「津波にげろ」と書かれた津波フラッグが掲げられ、注意を呼び掛けていました。

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岡崎から来た男性:
「今日はとにかく解除にならないと(海に)入れないから」

そして午前10時45分ごろ、津波注意報が解除されると、津波フラッグは片づけられ、海岸に人が戻ってきましたが、人影はまばらです。

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東京から来た男性:
「様子を見ながら解除になるのを待っていたら、お知らせが来たから。津波警報で海に入れないことはなかなかなかった」

夏休み、大勢のサーファーで賑わう赤羽根海岸で被害がなかったことに、津波フラッグを出したボランティアは…。

津波フラッグを出したボランティア:
「東北の津波を見ているので、被害は避けたいなという気持ちからですね。ここから(フラッグを)出すと、海に入っていてもしっかり確認できるのはありがたい。『逃げよう』という意識になってくれれば」

■特産の「浦村カキ」に打撃…養殖いかだ流される

30日に40センチの津波が観測された鳥羽市では、特産のカキ養殖に被害が出ました。

(リポート)
「カキの養殖が盛んな鳥羽市です。津波の影響で流されてしまったのでしょうか。いかだが折り重なるような形で浮いています」

鳥羽市浦村町ではカキの養殖いかだが流され、地元の養殖業者らが心配そうに海を見つめていました。

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沖水産の沖勝重社長:
「橋の奥から流れてきた。行ったり来たりしている。潮が収まらないといけない。津波が収まらないことには直せない。(復旧には)時間がかかる」

地元の組合によると、この地区ではカキの養殖いかだおよそ300台が、津波によって流されたということです。

現時点でカキ自体への影響はわかっていませんが、今後、潮の流れが落ち着くのを待ち、8月4日から復旧作業をするということです。

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また、トヨタ自動車は豊田市の元町工場など国内の7工場、11ラインで稼働を停止しましたが、堤工場など一部では徐々に稼働を再開しています。

気象庁は、津波注意報が出されていた沿岸部では、引き続き津波が観測されているとして、「海に入っての作業などは注意が必要」と呼び掛けています。

東海テレビ
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