30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震により、宮城県内では、石巻港で70センチ、石巻市鮎川で50センチの津波が観測されました。
警報から注意報に切り替えられた後も、宮城県内では最も高い、90センチの津波を、仙台港で観測しています。県によりますと、人的被害は確認されていません。

一夜明け。終電まで運転を見合わせた県内の一部在来線は、始発から運転を再開しました。
安全確認などのため、31日朝早く、19本の列車が運休しましたが、午前10時までにすべて平常運転となっています。

利用客は
「ちゃんと時間通りに来られたので安心しました」
「自分(きのう)車だったんですけど、友達帰れないってことで仙台駅まで迎えに来たりして、3回くらいそういう友達乗せたりしてました」

仙台空港では、30日午前から滑走路が閉鎖された影響で、98便が欠航しました。
閉鎖は30日午後10時に解除されましたが、31日は機材繰りの関係で12便が欠航しました。

一方、仙台港の沖合では…

高橋咲良アナウンサー
「心配そうに海のほうを眺めているような様子が確認できます」

名古屋と仙台、北海道の苫小牧を結ぶ太平洋フェリー。
29日夜、それぞれ名古屋と苫小牧を出発して仙台港に入るはずの2隻が、津波注意報のために入港できず、あわせて500人以上を乗せたまま、待機を余儀なくされていました。

出発から1日半以上が経過した31日午後2時すぎ…

ヘリリポート
「フェリーが仙台港に入港しました」

注意報は解除されていなかったものの、乗客の疲弊などが懸念されることから、県が特例で入港を許可。
乗客とみられる人たちが、フェリーと地上をつないだ通路を歩いていました。
太平洋フェリーによりますと、体調不良者などはいなかったということです。

石巻市では31日午後も、不安を抱えながら避難所に身を寄せる人たちの姿がみられました。

避難者
「やっぱり3.11のときの同じ思いをしたくなくて、義理の弟も亡くしているしおばさん、いとこも亡くしているので、怖い思いもあったし」

県は、30日午後8時半時点で、各市町村にあわせて700人以上の避難者がいたことなどから、「特別警戒本部」を「災害対策本部」に格上げし、沿岸14の市と町に、「災害救助法」の適用を決めました。
避難所で支援にあたる職員の人件費や、災害物資の調達に必要な経費を、国と県の公費で賄うことができるようになります。

県などは、被害について、詳細な調査を急ぐ方針です。

仙台放送
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