仙台市に住む80代の女性が、警察官を名乗る男たちに現金およそ4700万円をだまし取られた。

手口は、「マネーロンダリングの疑いがある」と持ちかけたうえ、さらには”だまされたふり作戦”を装って再び現金を引き出させるという悪質なものだった。警察は特殊詐欺事件として捜査している。

警察によると、5月2日、仙台市若林区の無職の女性のもとに
「あなたがマネーロンダリングに加担している疑いがある。疑いを晴らすために現金を調査する必要がある」
といった内容の電話がかかってきた。

相手は警察官を名乗っており、「現金を銀行から引き出して、自宅のポストに入れてほしい」と指示。

女性はこれを信じ、5月11日から6月8日までの間に複数回にわたり、現金およそ4100万円を自宅ポストに入れたという。

その後、調査がなかなか終わらないことを不審に感じた女性が、現金を預けた証明書の発行を求めたところ、今度は別の警察官を名乗る男から
「あなたは詐欺に遭っている可能性がある」
「一度だまされたふりをして、相手の指示に従ってお金を渡しましょう」
などと電話があった。

女性はこの話も信じ、6月13日には最初の男の指示どおり、仙台市青葉区内の公園のトイレに現金約600万円を置いた。

いずれの現金もその後、何者かに持ち去られたという。

事件は、後日女性が受け取った「現金預かり証」を不審に感じて警察に相談したことで発覚した。

宮城県警によると、県内では警察官をかたる特殊詐欺につながる予兆電話が複数確認されている。

警察は、「警察が”だまされたふり作戦”を依頼する際に、現金の持ち出しを求めることは決してない」として、注意を呼びかけている。

仙台放送
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