SNSを通じた「副業」や「投資」の誘いに乗って多額の金銭をだまし取られる詐欺被害が、宮城県内で相次いでいる。
県警は、いわゆる「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」として、警戒を呼びかけている。
「出金には税金が必要」不審に思い通報 370万円被害
宮城野区に住む30代の会社員の女性は、6月2日、SNS上で副業の募集投稿をしていた人物に連絡を取った。
指示されたアプリをインストールし、以降「指示役」や「管理者」と名乗る人物に従い、6月20日から7月2日までの間に複数回、投資名目で暗号資産に換金した約370万円を指定のアドレスに送金した。
その後、出金しようとしたところ「税金が必要」と請求され、不審に思った女性が警察に相談。詐欺被害であることが判明した。
偽アプリに誘導 800万円を送金
利府町の40代会社員の男性も、SNS上の投資広告にアクセスしたことが発端だった。
著名人の名前を騙る人物とつながり、別のSNSグループに招待された後、アシスタントを名乗る人物に誘導されて、偽の投資アプリをインストール。
5月12日から6月24日にかけ、投資名目で複数回にわたり、合計約800万円を指定口座に送金。
資金の引き出しができないことを不審に思い、警察に通報して詐欺被害が発覚した。
「一緒に稼がないか」恋愛感情につけ込むロマンス詐欺
さらに、仙台市青葉区に住む60代の男性は、マッチングアプリで知り合った女から「ネットショッピングで儲けている。あなたも一緒に稼がないか」と持ちかけられ、指定されたサイトに登録。
管理者を名乗る人物の指示に従い、7月23日と24日の2日間で商品買い付け名目として計約210万円を指定口座に振り込んだ。
しかし、出金時に追加の振り込みを求められたことを不審に思い、警察に相談。
ロマンス詐欺とみられる被害が明らかになった。
宮城県警「SNS詐欺の手口は巧妙化」
宮城県警は、いずれのケースもSNSやマッチングアプリを介して相手に信用を持たせ、投資や副業を装って金を振り込ませる「SNS型詐欺」として捜査している。
近年は暗号資産を介した資金の移動や、実在する著名人のなりすまし、偽アプリなど、手口の巧妙化が進んでいる。
県警は「『うまい話』や『すぐに儲かる』といった勧誘には特に警戒を」と呼びかけている。