吹き荒れる”石破おろし”の中でも、続投を表明している石破総理。
31日の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演したノンフィクションライターの石戸諭さんは、「党内基盤が弱く、支える人がいない石破総理は、衆議院・参議院ともに少数与党になってしまい、野党がカギを握っているが、野党側は『石破政権とは組まない』と話していて、相当な窮地だ」と指摘しました。
そして自民党の敗因として「保守層が離れた」という指摘が出ていることについては、これを否定し、「20代、30代、40代の現役世代からの支持離れが深刻で、保守色では戻ってこない」と話しました。
■石破総理続投なら…支える人は「特にいない」野党も組まず「完全に窮地」
(Q.石破総理が続投するとしたら、どういう人たちが支えるのでしょうか)
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「おそらく『特にいない』っていうのが正解だと思うんですよ。だって党内基盤ないんだから。
(今後の政局の)一番のカギは、『衆・参』とも、少数与党になってしまったことなので、カギを握っているのは野党なんですよ。
そうなってきたときに、野党側が今のところ『石破政権とは組めない』ってどの党も言っている以上、これは完全に窮地に追い込まれてますよね」
■”ポスト石破”ジャーナリスト鈴木哲夫氏・政治ジャーナリスト青山和弘氏が予想
続いて”ポスト石破”についての議論で、番組は事前に「石破総理取材歴20年」ジャーナリストの鈴木哲夫さんと政治ジャーナリストの青山和弘さんに予想を依頼しました。
鈴木哲夫さんは、石破総理本人への取材から、強い続投の意向を持っていると指摘するなどと予想を寄せました。
・石破総理…本人直接取材して、「自民党がここまで追い込まれた状況を作ったのは自分、その責任を負うのが続投」と話している。 ただし、鈴木さんの考える続投の条件は「失っていた石破らしさを出すこと」。それができるなら続投あり
・小泉進次郎農水相・小林鷹之元経済安保相…いま自民党は解党的出直しが必要なので、ならばもはや世代交代しかない。その場合、若手のこの2人
・林芳正官房長官…解党的出直しが必要な今だからこそ、党内対立を止め、党内融和で全員が手を組むというなら融和派の彼。
・高市早苗前経済安保相…離れた保守層を取り戻せるかもしれないが、保守色が強すぎ、野党との連携に不安。
そして政治ジャーナリストの青山和弘さんは、次のように予想します。
◎(有力)小泉進次郎農水相…自民党内で最大公約数になりうる。連立交渉もやりやすい。
◎(有力)高市早苗前経済安保相…自民党員に根強い人気がある。逃げた保守票を戻せる。
・小林鷹之元経済安保相…保守層を戻せるのに加えて、世代交代した印象を与えられる
・玉木雄一郎国民民主党代表…(国民民主が連立入りする流れで)人気が高いので高支持率でスタートする可能性高い。政権交代したイメージが出るから。
■与党が「現役世代から指示されていない 保守色戻っても取り戻せない」
こうした予想に対して、石戸さんは
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「今回の参院選・去年の衆院選も、決定的なのは自民党・公明党の与党が今のところ、現役世代から誰も支持されてないっていうか、『20代、30代、40代の現役世代からの支持離れ』。これが一番深刻なんですよね。
これは保守色の強い総理大臣にして、保守色が戻ってきたら、この世代を取り込めるのかって僕はそんなことは全然ないと思う」
(Q.「保守層」と言えば高市氏が取りざたされていますが?)
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「(高市氏が総理になっても)変わらないと思う。だって基本的には、石破さんの何がダメだったかって、結局、『給付金なんだ』っていうところに異様にこだわっちゃったことでしょ。
野党側が求めたのは減税で、対立軸があった中で、選挙前の想定(議席獲得数)に対して、これだけ『ノー』を突きつけられた給付金を『まだ進めるんですか』っていう時に、石破さん、まだ『進める』って言っているから、これで『取り戻せるのか』って言ったら、これ多分難しいですね。
少なくとも野党の政策の何かしら一部は取り入れていかないとちょっと全体的な解決策にはならないっていうのは、僕の見方、野党との連携というのもどうなっていくのかというのも非常に気になるところです」
■カギは「保守色」ではなく「現役世代」を戻せるか
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「僕、青山さんの指摘の中ですごい重要なのは、鈴木さんも指摘されてますけど、やっぱり『世代交代できるかどうか』っていうのは僕はやっぱりカギだと思いますね。(自民党の支持層から)若年層が離れている」
(Q.石破さんと自民党、どちらが本当に人気がなかったのか、自民党に対しての失望が大きかったのでしょうか?)
【ノンフィクションライター 石戸諭さん】「どっちもっていうのが、大きいと思うんですけど。どっちもが正解だと思うんで。石破さんの政策に対して、若年層が離れているっていうこともあるし、あとは自民党そのものに対しても、『あきれ』がきている。保守層だけじゃなくて、さっきも言いましたけど、”世代間闘争”の意味合いが強くなっちゃっている」
石戸さんが指摘するように、自民党は「保守層離れ」ではなく、「現役世代離れ」が起きているのでしょうか。
石破総理が本当に続投できるのかということとともに、自民党内の動きが注目されます。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年7月31日放送)