北アルプス槍ヶ岳で静岡県焼津市の自営業の65歳男性が滑落してけがをし、ヘリで救助されました。

男性は7月30日、北アルプス槍ヶ岳に向けて登山中、東鎌尾根(標高約2860メートル)で滑落し、けがをしました。

午後3時頃、同行者から松本警察署に「男性が岩につまずき、3メートルほど滑落した」と救助要請がありました。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会の救助隊員が出動し、午後4時半ごろ、男性を救助し、付近の山小屋に収容しました。

一夜明けた31日午前10時半過ぎ、岐阜県警のヘリが男性を救助し、岐阜県高山市の病院に搬送しました。

男性は右足を負傷していて、自力歩行は難しいということです。

男性は3人パーティで29日に長野県安曇野市の中房温泉から入山し、いわゆる「表銀座コース」を縦走していました。

長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中しています。

特に今の時期は、気温や高度差で体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となって、整備された登山道でも浮石やガレ場などでちょっとした不注意でバランスを崩して転倒することがあります。

もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大のリスクが潜んでいると考え、最後まで気を抜かずに登山をするよう呼びかけています。

長野県内は夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山でも疲労や熱中症などで動けなくなることがあります。

県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」ことなどを呼びかけています。

長野放送
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