家電製品の電源プラグやコードの破損などによる火災事故が多く発生しているとして、NITE=製品評価技術基盤機構は31日、注意喚起を行った。
NITEによると、2019年から2024年までの6年間に報告のあった、家電製品のプラグやコード、コンセントの事故は219件あり、そのうち8割以上(182件)が火災事故に至っている。
原因としては、繰り返しの引っ張りなどによる電源プラグ・電源コードの破損や、プラグにほこりが溜まったまま放置していたことが挙げられる。
電源プラグの事故が多い製品は、配線器具に次いでヘアドライヤーが多く、電源コードの断線事故が発生した製品は、ヘアドライヤーが最多だった。
また、2021年10月には、日常的に電気掃除機の電源コードを引っ張って、電源プラグをコンセントから抜いていたことで火災に至った事例のほか、2020年7月には、食器洗い乾燥機の電源プラグが接続されていた、壁コンセントの刃受金具の間隔が広がっていたことから、発火する事例なども起きている。
NITEは、事故を防ぐためのチェックポイントとして以下の5つの点を挙げている。
①「電源プラグ」が破損・変形・変色などの異常がないか・電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれ。
・プラグを踏みつけたりすると、電源プラグの栓刃が変形・プラグ内部が破損する場合があるので、設置場所や抜き差しに注意。
・電源プラグに変形や焦げがある場合や、プラグが異常に熱くなっている場合は使用を中止し、メーカーや販売店に相談する。
②「電源プラグ」にほこりが溜まっていないか・電源プラグはコンセントや電源タップとの間に隙間が生じないよう、しっかりと差し込み、定期的に掃除する。
・掃除の際は、必ずコンセントや電源タップから差込みプラグを抜いて、「から拭き」する。(水分が内部に浸入し、ショートやトラッキング現象が生じるおそれがあるため)
③「電源コード」に破損・硬化・変色などの異常がないか・電源コードを折り曲げるなどといった無理な力が加わると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれ。
・配線の設置状況に注意し、電源プラグを外す際は、コードではなくプラグを持って抜き差しする。
・電源コードは、コードの被覆がひび割れたり、裂けたりしていないか定期的に確認。
④「コンセントやタップ」に電源プラグを差し込んだ際に緩みがないか・電源プラグの繰り返しの抜き差しによる劣化などにより、電源プラグとの接触が悪くなり異常発熱するおそれ。
・コンセントや延長コードに差し込んだプラグを前後に傾けた際にぐらつきがある場合などは、メーカーや販売店に相談。
⑤「コンセントやタップ」に接続可能な最大消費電力を超えていないか・家電製品をテーブルタップなどに接続する際は、接続可能な最大消費電力や定格電流を超えないよう注意。
・事前に接続する家電製品について、テーブルタップなどの使用が禁止されていないか、取扱説明書などを確認。