秋田県高校将棋大会で5連覇を果たし、香川県で開かれている全国高校総合文化祭に挑む秋田市の秋田高校将棋部。部員たちの一手にかける思いに迫りました。
◆県大会5連覇 団体戦で全国に挑む
秋田高校の教室に響く駒の音。
将棋に必要な力は「将棋を楽しむ力」。将棋の魅力は「長い攻防戦を経て、最後に詰め切れる快感」と話すのは将棋部の部員たちです。
香川県で開催されている全国高校総合文化祭に出場している将棋部。2025年の秋田県高校将棋大会で5連覇を果たすなど、県内を代表する強豪校です。
部員は15人。放課後になると教室に集まり、席に着くと対局開始。一手一手に思考を巡らせ将棋を指します。
全国高校総合文化祭の団体戦に挑むのは3人。主将を務める川田頼緋さん、副将の三戸瑳智弥さん、三将の幡宮悠人さんの布陣で、全員が3年生です。
「普段は仲が良いが、あくまで将棋の付き合いのほうが多いかな」「たまに勉強の話とかする」と笑顔で話す3人。
個性の違う3人を後輩たちはどう思っているのでしょうか。
川田さんは「大胆な攻めで相手を翻弄(ほんろう)して、どんな攻め方をしても勝つ。それくらい強い」。三戸さんは「秋田高校将棋部の中で一番研究熱心で、その研究から相手をも魅了する鮮やかな攻めが印象的」。幡宮さんは「いつもは親しみやすい笑顔で話しかけてくれるが、対局になるとまじめな顔つきになってかっこいい」と話します。
◆「高いレベルに追い付きたい」が強くなれた要因
研究熱心な三戸さんは、高校1年の冬から将棋を本格的に始めました。
副将・三戸瑳智弥さん:
「周りの環境に恵まれたと思っている。途中入部の自分を受け入れてくれたことや、秋田高校将棋部のレベルの高さに追い付きたいと思い、勉強するきっかけになったので、周りの環境があって努力できたことが強くなれた要因」
互いに競い合い、アドバイスをもらいながらどんどん将棋が強くなった三戸さんは、2024年に団体戦のメンバーに選出されました。
◆頂点目指して挑む最後の夏
将棋の団体戦は、個人戦の勝ち点の合計で競います。
三将・幡宮悠人さん:
「自分は周りを見て戦っていて、頑張っている様子を見て自分も気を引き締めようという気持ちになる」
主将・川田頼緋さん:
「団体戦ということで1人ではないという安心感も大きいが、今まで肩を並べて成長してきた仲間と一緒に指せるという安心感は大きい」
3人で挑む最後の夏。見つめるのは盤面の先、全国の頂点です。
三戸瑳智弥さん:
「ずっとこのチームで勝ちたいという気持ちが強くて、自分が集中して将棋を指せば仲間も勝ってくれると思う」
幡宮悠人さん:
「自分が考えた中で指すのが大事。それが一番信じることができる」
川田頼緋さん:
「全国は強い人が多くて、でも高め合った時間は負けていないと思う。最後は『楽しかったな』という一言で終われる大会にしたい」