ロシア・カムチャツカ半島で7月30日に起きた地震で、東海3県の沿岸にも津波警報が出されました。愛知と三重では避難指示が出されている地域があり、交通機関などにも影響が出ています。
■「高台に避難を」東海3県でも津波を観測
30日午前9時40分、愛知県外海と三重県南部に津波警報が発表され、三重県鳥羽市の高台にある避難所には住人が続々と避難していました。

鳥羽市で避難した人:
「家が低い所にあるから。薬を持ってきました」
三重県尾鷲市・鳥羽市の全域などのほか、愛知県でも豊橋市や田原市の一部地域に避難指示が出され、多くの人が高台へと避難しました。
津波の原因となったのは、ロシアで発生した地震です。30日午前8時25分ごろ、カムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震があり、日本列島の太平洋側沿岸の広い範囲に津波警報が出されました。
津波到達予想時刻の午前11時半を迎え、愛知県庁では、各自治体の状況など、職員が情報収集に追われていました。
三重県尾鷲市では午後0時8分に、津波の第一波が到達しました。

さらに、津波の到達予想時刻から3時間近くが経った午後2時12分には、熊野市で30センチの津波を観測しました。

名古屋や豊橋市の三河港でも最大で20センチを観測するなど、東海地方の各地で津波が観測されました。
■車が崖から転落…津波から避難中の事故も
熊野市甫母町では、近くに住む磯崎明美さん(58)が、車で高さおよそ30メートルの崖から転落し死亡しました。

消防によりますと、磯崎さんは津波から避難するため、崖の上に車を移動させていたとみられています。
中部国際空港は、外海ではない伊勢湾内にあるため、津波注意報が発表されました。
空港のターミナルは「安全」とアナウンスされたこともあり、大きな混乱はありませんでしたが、仙台便が欠航になり、カウンターで手続きをする人たちが列を作っていました。

仙台に帰る人:
「旅行でこちらに来ていて、帰る予定だったんですけれども。(家族は)大丈夫です。海沿いではないので」
仙台に帰る別の人:
「こちらの病院で手術をして、今日帰る予定だったんですけど、こういうことになって困っています。東日本大震災を経験しているので『警報』と聞くとすごく胸がザワザワして怖いです。空港の近くに車を止めているんですけど、もし津波が来たら流されちゃうなとか、いろいろ考えます」
津波の影響は各地に広がっていますが、気象庁は「少なくとも1日程度は津波が続く」としています。
気象庁は、津波は予想より遅れて襲ってくることがあるとして、警報などが解除されるまでは海岸などに近づかず、避難を継続するよう呼びかけています。