田中祐一朗記者:
こちらの田んぼでは水不足の影響で、地面がひび割れてしまっています。
連日の猛暑!そしてまったく降らない雨に農家は頭を抱えています。
太陽で熱せられた道路から上る陽炎。
山陰両県で、30日の気温が最も高かった島根県川本町です。
住民:
上からも暑いし、アスファルトからの照り返しもあり大変暑い。焦げそうです。
この川本町、30日の朝の時点の予想最高気温は「40℃」でした。
午後1時ごろ、道路に設置された気温計は「39℃」を示し、山陰両県の歴代最高気温の更新、さらに両県初の40℃台となる可能性もありました。
気象庁のアメダスで観測された最高気温は39.2℃。
40℃には達しませんでしたが、川本の観測史上最高を更新する猛烈な暑さでした。
住民:
空調着を着ていても涼しくないので、立っているだけでも汗が出る。だいぶ暑い。
川本を含め、島根県の山間の地点4か所で観測史上最高気温を更新。
邑南町瑞穂37.4℃、雲南市掛合38.3℃、また平地でも鳥取で37.9℃、出雲で37.8℃、松江36.5℃と体温超えの暑さとなりました。
異常な暑さは、8月初めにかけて続く見込みです。
この少雨高温には農家も頭を抱えています。
ライスフィールド 吉岡雅裕社長:
猛暑でやっぱり乳白米が出たり、収量の低下がね、起きそうな気がしますね。
松江市内の田んぼ、約200ヘクタールでコメを生産する営農組合では、連日の猛暑の影響で生育不足やコメが白く濁るなどの品質低下を懸念しています。
さらに、暑さに加えて心配しているのは水不足です。松江市では半月以上、雨が観測されていません。今月、まとまった雨が降ったのは1日だけという記録的な少雨です
この営農組合では一部の田んぼですでに水不足に陥っています。
ライスフィールド 吉岡雅裕社長:
川や堤の水もすごく少なくなって、水の供給がなかなかできない状況にあります。ということで、今こう稲がもうだいぶ根がやられて倒れてきています。
田んぼに水を供給する用水路には水がまったく流れていません。
ライスフィールド 吉岡雅裕社長:
池の水を下ろしたり、川からこれを流すんだけど、その水自体がない。
「はなえちぜん」という早稲品種を栽培する田んぼでは、水が十分に行き渡らなかったことで1週間ほど前から稲が弱り、倒れてしまいました。8月中旬に収穫を控えますが、生育の遅れや品質の低下につながる恐れがあります。このまま雨が降らなければ、他の品種への影響も避けられない状況です。
ライスフィールド 吉岡雅裕社長:
きぬむすめは、これから穂が出る穂が出るときには水が必要だし、その水がないことになると、やっぱ収量も品質もどうなのかなという。やっぱ空から降ってほしいね。
新米の流通量にも影響しかねない猛暑と少雨…。農家は恵みの雨を心待ちにしています。