国内で唯一、旅客運航する大分県のホーバークラフト。26日、大分市と大分空港を結ぶ定期便が就航した。
大分空港アクセスの定期便は16年ぶりの復活となる。改めて復活までの経緯と、初日の様子を詳しく伝える。

第1便の乗客は午前0時から並んだ
就航の日。西大分ターミナルの空には、ホーバークラフトの門出を祝うように、虹がかかった。
西大分発の第1便の出港は午前6時55分。記念の便に乗ろうと、早朝から多くの乗客が列を作っていた。
第1便の乗客は「1番乗りがいいと思って、午前0時に玄関前に並んだ」「初めての乗船になるので、どのくらいの速さなのかどんな乗り心地になるのか楽しみ」と嬉しそうに話していた。

第1便の乗客には記念の「プレミアムチケット」配布
ホーバーの定員は80人だが、第1便は事前の予約で満席となった。この便の乗客には、記念の「プレミアムチケット」が配布された。
第1便は1番船の「Baien(バイエン)」。乗船は午前6時30分すぎから始まり、就航を待ちに待った乗客たちが続々と船内に乗り込んでいった。
そして、午前6時55分、第1便は定刻通りに大分空港に向かって出港。ホーバーの空港アクセスの定期便がついに就航した。

かつてのホーバークラフトは2009年廃止 11年後に復活の方針決まる
大分市と大分空港を結ぶホーバーの定期便は、1971年に始まったが、2009年に当時の運航会社が経営破綻し、廃止された。
その後、大分空港の利用者の増加がさらに見込まれる状況を受け、県はバスだと1時間ほどかかる大分市とのアクセス向上のため、海上交通の導入の検討を開始。2020年にホーバーの復活を決めた。

運航開始は当初2023年度中としていたが…
ホーバーはイギリス製の船体3隻を購入し、運航はタクシー大手の第一交通産業のグループ会社・大分第一ホーバードライブが担うことになった。
運航開始は当初、2023年度中としていたが、船体の納入が遅れたほか、操縦訓練中の事故が相次ぎ、スケジュールは大幅に遅れ、2025年7月26日にようやく就航となった。

運航会社「大分県といえばホーバークラフトと言ってもらえるように」
第1便を見送った大分第一ホーバードライブの小田典史社長は、安堵した様子を浮かべ、次のように今後に向けた決意を語った。
「ほっとした感じがある。ここ(就航)まで目指してやってきたが、ここまでが助走期間で、今から猛ダッシュをしなくてはいけない。大分の観光の目玉として、起爆剤になるように、大分県といえばホーバークラフトと言ってもらえるようにPRを進めていきたい」

大分市と大分空港との間を35分で結ぶホーバー。第1便は定刻通り、空港に午前7時30分に到着したという。
16年ぶりに復活した大分空港アクセスのホーバー定期便。ホーバーの旅客運航は国内で大分県が唯一となり、観光資源としての期待も寄せられている。
