“7月5日に日本で大災害が起きる”という噂は噂で終わりましたが、デマのきっかけとなった漫画をパロディーにした香港の航空会社の広告。予言を描いた漫画「私が見た未来」をもじり、「私が見た最低日本価格」と銘打った割引キャンペーンを打ち出しました。

香港発・成田国際空港行きの往復航空券は驚きの約6500円。
“予言の日”は過ぎたのに一体なぜこんな価格に？

神奈川・鎌倉市にある小町通りでは、外国から訪れた人たちからこんな声が聞かれました。

台湾から来た人：
日本に来るのが怖かった。7月5日までカウントダウンをしていた。夜も寝られなかった。

外国人観光客が多く利用する練り物専門店は…。

鎌倉小町通り あさひな・松田健志店長：
中国系の人が減ったのは分かる。（売り上げが）2～3割は減った。

デマは“予言の日”を過ぎても観光に大きな影を落としていました。

日本政府観光局によると、6月の香港からの訪日客の数は2024年に比べて33.4％減少。
香港の航空会社「グレーターベイ航空」は、鳥取県にある米子空港と香港を結ぶ国際定期便について、9月から運休することを決定しています。

こうした状況に香港の旅行会社が実施した割引キャンペーンは、その名も「うわさ終結日」。

実は噂はアジア全体に広がり、インバウンド需要に大きな打撃を与えていたのです。

マレーシアから来た人：
日本に来るのは不安だった。電車に乗るときも不安で海を見た。

香港の航空会社などが打ち出した割引キャンペーンで激減した訪日客を回復させることができるのでしょうか。

台湾から来た人：
航空チケットがすごく安くて、2万5000円もお得になった。

専門家は、今回の予言騒動で日本のインバウンド需要が5600億円ほどマイナスが出る可能性があると話します。

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト・木内登英氏：
秋口にかけて、訪日客の訪日控えと国内での需要の低下の影響が残るのではないか。