世界選手権とインターハイへ
世界選手権とインターハイへ、それぞれの夏に挑む愛媛県の八幡浜工業高校レスリング部の物語が今、始まろうとしている。
世界選手権U17日本代表として初めて国際舞台に立つ阿達日煌選手と、インターハイでチーム力を発揮しようとする仲間たち。
彼らの情熱と決意が交差する青春の軌跡を追った。

世界への切符を手にした2年生エース
素早い動きで投げ技を決める八幡浜工業2年の阿達日煌選手。松山市出身の阿達選手は、親元を離れて強豪校の八幡浜工業高校へ進学し、レスリングに打ち込んでいる。
今年4月の全国大会ではグレコローマン51㎏級で初めて全国の頂点に立ち、7月末にギリシャで開催される17歳以下による世界選手権への出場を決めた。
阿達選手:
「しっかりと自分のレスリングを見せるのと、外国に行くこと自体も初めてなので新しい空気を吸うというか、体験して今まで以上に強くなって帰ってこられたらと思います」

キャプテンも後輩に一目置く
松山市出身で同じ寮で生活している3年生のキャプテン、石井大晴選手も世界に挑む後輩に一目置いている。
八幡浜工業レスリング部キャプテン・石井大晴選手:
「技の組み立てとか頭を使ったレスリングが上手、そこは尊敬するところです」

成長の裏には何が…?
梅野監督:
「そこから展開を早く、展開はやく!がぶりは流れで行くと、ミスするリスクがあるから、そこは1回丁寧にやる」
指導する梅野貴裕監督は、2016年の世界選手権に出場した経歴を持ち、現在もグレコローマンスタイルのジュニア世代日本代表監督を務めている。
梅野監督がこの半年で急成長したと評価する阿達選手。その成長の裏には何があるのか、聞いてみた。
阿達選手:
「1日1回以上は絶対世界選手権について考えたり調べたり、まず部活に来ないと何もできないので、学校生活でつまずくことがないようにしている。(体重を)減らす時は減らすんですけど、それ以外の時はしっかり食べて元気を蓄えて、全部フルパワーでレスリングができるようにやっています」

今年の目標は団体で全国ベスト8以上
キャプテン石井選手:
「どんどん仕掛けていって、1分でスパーリングやりましょう」
阿達選手が初めて世界の舞台に挑むのは7月28日から。
ちょうど同じ時期、チームは島根県で開催されるインターハイに出場する。
八幡浜工業レスリング部は愛媛県高校総体で19連覇を果たしていて、今年の目標は団体で全国ベスト8以上。
キャプテン石井選手:
「団体戦は3年生で戦うのが最後なので、後悔が残らないように全力で頑張りたいと思います。日煌がいなくなるとチーム力が欠けてしまうんですけど、日煌も世界選手行って頑張っていると思うので、自分たちも言い訳にせずしっかりがんばろうと思います」

ハードな体作りのメニュー
この日、練習の終わりにはハードな体作りのメニューが待っていた。
団結力を高めながら目標を達成するために追い込む。
阿達選手:
「(世界選手権は)先生もいないし、同じ学校で練習してきた仲間もいないので心配はあるんですけど、優勝できるように、最低でもメダルを持って帰れるように頑張りたいと思います」
レスリング部の選手たちはこの夏、八幡浜工業の名前を背負って、世界、そして全国の舞台に挑む。
「八幡浜工業レスリング部の青春とは、礼儀・挨拶・返事!頑張るぞ!お~!」
