7月19日に開幕する選手権大会に、宮城県内からクラーク国際仙台とウェルネス宮城の2校が出場します。
甲子園球場で行われる決勝戦の舞台に進み、頂点に立つことができるか。真夏の戦いに挑む選手たちを取材しました。
女子高校野球界、全国屈指の強豪校、クラーク国際仙台。
年間3回の全国大会がある女子高校野球において、全国制覇2回、準優勝は2回と常に日本一を狙うチームとして高みを目指しています。
千坂紗雪アナウンサー
「そんなチームのモットーは元気の良さです。厳しい練習でも明るく声を出して鼓舞しあっています!」
勝利に対する熱量を練習中から意識し続けるためあるルーティンに取り組んでいます。
千坂紗雪アナウンサー
「きょうも書いているの?」
2年生・林小花選手
「書いています!今日の目標は、集中です!意識して練習をやるために書いています」
去年のこの大会ではベスト8に甘んじたクラーク。
その悔しさを知るエースの菊田波音投手はこの春の全国大会、選抜の準々決勝で先発したものの、5失点を喫して1回を持たず降板。歯車が狂ったチームはまさかのコールド負け。
この大会以降、菊田投手はエースナンバーをはく奪されました。
菊田波音投手
「チームのテンポを崩してしまって、コールド負けという結果を作ってしまったので、ピッチャーとして頑張らなきゃというのが春は強くなっちゃっていて。切り替えるのにはちょっと時間がかかってしまったんですけど…」
それでも、チームメートからの信頼は変わりません。
角ひらりキャプテン
「やっぱ波音だけの負けじゃなかったし、夏の大会はやっぱり波音のピッチングがないと勝てないと思っていたので、みんな声をかけたと思います」
仲間の励ましを受けてバランスを崩しかけていたピッチングフォームを修正。ストレートの威力が増して、本来のピッチングスタイルを取り戻しました。
そして、背番号発表の日。
部長
「背番号1番、波音!」
この夏、再びエースナンバーを背負って戦います。
菊田波音投手
「下向いてても変わらないなっていうのを、いろんな同級生とか周りのピッチャーとかが声をかけてくれたので、切り替えて夏にむけて頑張ろうと思って。絶対甲子園に行って日本一になります」
そして、創部4年目の日本ウェルネス宮城。3学年合わせてわずか9人で全国大会初勝利を目指します。
そんなチームを支えるのは畠山希望選手です。
畠山希望選手
「自分の武器は長打力とコントロールが良いところです」
チームの得点源となり、そしてエースとしても活躍する二刀流でチームをけん引します。
畠山選手は中学3年の時に重い病気を患い野球から遠ざかる時期がありました。
畠山希望選手
「やりたくてもできないし、辛かったです。」
高校入学後も通院しながら部活動に取り組んできた畠山選手。決して弱音を吐くことはなくみんなと同じメニューをこなしてきました。
畠山希望投手
「やっぱ辛いなって思う時もあるんですけど、でもやっぱり自分が選んだところなので、ちゃんとやるようにしています。」
佐藤聖奈キャプテン
「希望はきついのに、よく頑張ってるなって思っていました。希望がいないと試合が成り立たないというか、欠けてはいけない存在だなって自分では思います。」
この春には連合チームの一員に選ばれ、全国の舞台を経験した畠山選手。病に負けず、ひたすら大好きな野球と向き合っています。
3年生にとって9人で挑む最初で最後の全国大会。かけがえのない仲間と過ごす時間は残りわずか。チーム一丸で全国1勝を狙います。
畠山希望選手
「女子の中でも人数足りないところは出られない人とか多いんですけれど、少ない中でも出られることに感謝して、自分の持ってる力を最後発揮できたらなって思います」
日本ウェルネス宮城は20日に至学館と、クラーク国際仙台も20日に旭川明成と対戦。
8月2日に甲子園球場で行われる決勝に進み、史上最多67校が出場する頂点を狙います。