「水道を外資に売った」発言に県が抗議

宮城県が神谷宗幣代表に提出した抗議文
宮城県が神谷宗幣代表に提出した抗議文
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参政党の神谷宗幣代表が7月13日に仙台市内で行った街頭演説で、宮城県の水道事業について「外資に売った」などと発言したことに対し、県は「事実と異なる」として抗議し、謝罪と訂正を求めた。

県は7月15日付で抗議文を神谷氏に提出し、「19日までに謝罪・訂正し、その内容を報告するように」と要請している。

村井知事「よく人前で言えたものだ」 怒りあらわに

村井嘉浩知事は7月16日の会見で、神谷氏の発言に強い憤りを示した。

宮城県 村井嘉浩知事
宮城県 村井嘉浩知事

村井嘉浩知事:
非常に憤っている。選挙中だから何を言ってもいいというのはおかしい。宮城県の大切な命の水を海外の企業に売り渡すなんてことがあるわけがない。よく堂々と人前で言えたものだ。本当に失礼な人だと思っています。

知事はさらに、演説の中で触れられた「外資が議決権を持っている」との指摘についても、「それも完全な誤りだ」と述べ、「公党の代表なら、発言の根拠をしっかり調べた上で発信すべきだ」と批判した。

神谷氏「まだ見ていないが精査して考える」

この抗議に対し、神谷代表は16日、FNNの取材に応じ、以下のように述べた。

仙台駅前で取材に応じる神谷宗幣代表(7月13日)
仙台駅前で取材に応じる神谷宗幣代表(7月13日)

神谷宗幣代表:
まだ(抗議文を)見ていないので、届いているとは聞きましたけど、何がどうなのか。たぶん事業も半分以上株を持たれているはずなので、そういう意味では株式を売っているはず。そこに問題があると言いたかった。どこにクレームが来ているのかまだ分からないので、また精査して考えます。

波紋を呼んだ発言内容

仙台駅前で演説する神谷宗幣代表
仙台駅前で演説する神谷宗幣代表

神谷氏は、7月13日にJR仙台駅西口で行った街頭演説で、「水道事業を民営化し、外資に売却した」と受け取れるような発言をした。

神谷宗幣代表:
宮城県は民営化しちゃうわけでしょ!おかしい宮城県は!水道なんてめちゃくちゃ大事。なんで外資に売るんですか?彼ら金儲けですよ!

発言の背景には、外国人雇用への補助政策や、公共事業削減による日本経済の衰退を批判する神谷氏の主張があり、水道事業はその象徴として語られた。

「みやぎ型管理運営方式」とは 県「売却ではない」

宮城県が神谷宗幣代表に提出した抗議文
宮城県が神谷宗幣代表に提出した抗議文

県が導入した「みやぎ型管理運営方式」は、水道・下水道・工業用水の事業について、県が施設の所有権を持ち続けたまま、運営権を20年間民間に委託する官民連携型の事業だ。

運営企業「みずむすびマネジメントみやぎ」は複数企業による共同出資で構成されていて、外資系企業「ヴェオリア・ジェネッツ」も参加しているが、県は「議決権は日本企業にあり、売却ではない」と説明している。

神谷宗幣代表 街頭演説(7月13日・仙台駅西口)

以下は、7月13日にJR仙台駅西口で行われた参政党・神谷宗幣代表の街頭演説のうち、水道事業や経済政策などに関する主な発言を、録音をもとに書き起こしたもの。
(一部、読みやすさを考慮して表現を整えている。)

仙台駅前で演説する神谷宗幣代表
仙台駅前で演説する神谷宗幣代表

これから参政党は選挙で何を訴えますか?との問いに——

神谷宗幣代表:
一つ目は減税と積極財政。これは我々は物価対策でやろうと言っているんじゃないんですよ。
目の前の物価対策だけではだめだというのが参政党です。なぜか。これからも物価は上がり続けるからです。なぜか。世界中の物価が上がっているからです。

経済が成長しているから。だから外国人がいっぱい日本に来て観光したり、土地買ったりするんですよ。民泊やったり、金があるからです。それは向こうの国は経済成長しているから。

日本は経済成長していないのが問題なんですよ。物価高が問題ではありません。

物価はちょっとずつ2パーセントずつ上がっていかないといけないんです。ただ、経済が成長しないから実質賃金が下がってきたわけですよ。

そこで賃上げしろ!賃上げしろ!っていうけど、大企業はできますよ。利益たまっているから。だけど、そんな無理やり賃上げしてですね、時給1,500円にしたら、中小企業つぶれるじゃないですか。無理ですよ、そんなもん。

だから減税をして積極財政。国がお金を使うんです。投資するんですよ、地方に。

そしてここで外国人の問題が出てくるわけ。今、政府はおかしなことをやってますよ。外国人を雇うとお金を出すってやってますよ。

おかしくないですか?日本人を雇ったらお金を出してくださいよ。宮城県だったら、宮城県の若者を雇ったらお金を出したらいいじゃないですか。

なんで外国人を雇ったら補助が出て、日本人を雇ったら出ないんですか。バカバカしいじゃないですか、そんなこと。

なんで日本が衰退しているか——ひとつの原因は公共事業をやめたからですよ。公共事業をやめて、何万社という建築会社がつぶれたわけですよ。

だから今、これから日本は公共事業をやろうと思っても、やる人がいないんです。人手不足のところに外国人を入れているわけですよ。

でも外国人は帰る人も多いわけ。だから帰る人に補助金出してもしょうがないですよ。

日本の若者が安心して建築業に就けるような、そういう仕組みを取り戻さなければいけないんです。そのためには、しっかりと国が予算を使わないといけないんですよ。

よくね、そういったことも含めた積極財政。工業支援、水産業支援も積極財政。インフラつくるのも積極財政。

上下水道もそうでしょ。国がやらないから、宮城県みたいに民営化しちゃうわけですよ。おかしい宮城県は!

そんなもんね、水道だってめちゃめちゃ大事なわけですよ。なんでそれを外資に売るんですか。外資に任せるんですか。彼ら金儲けですよ。

儲かるんだったら日本人にやらせればいいじゃないですか。頭おかしいんですかって話ですよ。なんで外資に任せるんですか。

参政党が言っている外国人問題って、そういうこと。外国人を雇うのにお金を出すとか、外国人用に儲かる事業をあげちゃうとか。

それ、おかしいから、そこを見直せっていうだけで、差別でもヘイトでもありません。

差別してたらこんな人気出ないでしょ。日本人はそもそもね、世界から人種差別をなくしましょうって世界で一番最初に言った民族なんですよ。私はそれを誇りに思っていますよ、日本人として。なんで差別なんですか。おかしいんですよ。

仙台放送

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