左利きの人にとって、日常の道具は「使いにくい」が当たり前。そんな悩みに応える雑貨店が岐阜県各務原市にあります。
■「苦手」を「喜び」に…“10人に1人”のための雑貨店
各務原市にある、月に数回だけ開く「左ききの道具店」。名前の通り、店には左利きの人のための雑貨が集められています。

店長の加藤礼さん:
「私自身が左利きでして、文房具とかキッチン用品がもともと好きだったので、そんな中で自分がもっと買い物をしたいと思える左利き用のお店があったらいいなと」
日本左利き協会によると、左利きの人が占める割合は全体のわずか10%ほどです。そのため、左利きの人が気持ちよく使える道具の種類は限られます。
左利き用の『レードル』では、スープの注ぎ口が通常のものとは反対側にあります。

持ち手が左右逆につけられた『急須』もあります。一見、間違い探しのようですが、この違いが“苦手”を「よろこび」に変えます。

野菜の皮をむく『ピーラー』を見ていた女性客も「うまくむけないことがあって。うれしいです。すごいと思って」と話していました。
■「道具に合わせる」から「自分に合ったモノ」へ
店で一番人気だというのが、オリジナルで作った「手帳」です。一般的な手帳と違い、日付の数字がマス目の右上にレイアウトされています。

客:
「右利き用の手帳を使うとたまに日付が見えなくて、予定を書き間違えて『あっ間違えた』となる」
最近では、病気で右手が思うように動かなくなった人などからも問い合わせがあるということです。
店長の加藤礼さん:
「道具に合わせていくんじゃなくて、ご自身の体、利き手にあった道具をお使いいただくことで、より気持ちよく暮らせるようになる部分もあるかなと思う」
暮らしを心地よく。左ききの道具店には色々な思いが詰まっています。
(東海テレビ)