現職と新人の合わせて4人が新潟選挙区に立候補している参院選の争点をシリーズでお伝えします。今回は“物価高対策”について。家計をひっ迫する問題への対応として注目されているのが『現金給付』と『減税』です。

■物価高に苦しむ学生を支援 学生自ら“フードバンク”立ち上げ

7月14日新潟大学の五十嵐キャンパスで行われていたのは、学生が運営するフードバンクのミーティングです。

物価高で困窮する学生の食料支援などを行うこの団体。6月には地域のフードバンクなどの協力を得て、備蓄米5kgを無償で配布しました。

【学生フードバンク ソレイユ 大岩柚美 共同代表】
「感謝の声や今後への期待の声をいただいたので、こちらとしてもうれしい気持ち」

この日は来週予定している2回目の食料品の配布に向けた話し合いが行われていました。

「1人あたりの(配布)量より人数を増やすというのがベスト。量を減らしても(受け取れる)人数を増やす」

こちらの団体が新潟大学の学生を対象に実施したアンケートでは、6割の学生が普段の食生活に不安や悩みを抱えていると回答。

【学生】
「1人暮らしをしている。コメが今までの値段から2倍くらいになっていると、ちょっと自分のバイト代では厳しいなという瞬間はある」

【学生】
「スマホのアプリで自分の稼いだお金と普段使っているお金を管理している。今のところ、支出が結構多く、食費が大変」

どうすれば必要な人に必要な支援を届けることができるのか、学生フードバンクは検討を重ねています。

【学生フードバンク ソレイユ 大岩柚美 共同代表】
「本当に困っている学生に対して、ちゃんと支援が届くような方向を考えていきたい」

民間の調査会社の調査では7月の飲食料品の値上げ品目は去年の5倍となる2000品目に達し、年間の値上げ品目も2年ぶりに2万を超える見通しとなっています。

■『現金給付』か『減税』か…各候補が訴える“物価高対策”は?

こうした状況の中、迎えた参院選。

【参政・新 平井恵里子 候補】
「参政党は、消費税の段階的廃止を訴えている」

【自民・新 中村真衣 候補】
「私たちの目の前の物価高に、どのようにスピーディーに対応していくか」

【立憲・現 打越さく良 候補】
「私たちは食料品について、消費税をゼロにする」

物価高に苦しむ国民をいかに支援するかが大きな争点に。中でも意見が分かれるのが対策として挙げられている『現金給付』と『減税』です。

【学生】
「給付のほうがいいと思う。減税すると財源がなくなってしまうのでは」

【学生】
「物価が高い上に、消費税が追加されて色々ダメージになってくるので、消費税は減らしてほしい」

新潟選挙区の候補者の中で唯一、『給付』を訴えるのは自民党の新人・中村真衣さんです。

消費税は社会保障の財源であることなどから減税には消極的で、国民1人あたり2万円の給付が速攻性のある対策だと訴えます。

【自民・新 中村真衣 候補】
「やっぱり減税したほうが国民の方は数字に表れやすいからうれしいとは思うが、今すぐ直接的に皆さんのところに入るということは、少しでも物価高対策にはなるのかなと思っている」

一方、立憲民主党の打越さく良さんが訴えるのは時限的な『減税』です。

来年4月から期間を限定して食料品の消費税をゼロに、その後、給付付き税額控除に移行する考えです。さらに、暫定税率の廃止によりガソリンの価格を抑えると訴えます。

【立憲・現 打越さく良 候補】
「1回限りの給付という行き当たりばったりの政策ではなくて、エンゲル係数も高くなっていて、非常に厳しい家計のことを考えた上で、そして財源も考えた上での政策。国民の暮らしを支えるという姿勢については全然違うものだと思っている」

参政党の新人・平井恵里子さんは消費税の段階的廃止を主張。

社会保険料の負担も軽減することで税金と社会保険料が所得に占める割合、国民負担率を現在の46%から上限35%まで抑えると訴えています。

【参政・新 平井恵里子 候補】
「税金と社会保険料、これが減れば私たちの手取りは増えると思うが、(税金と社会保険料が)増え続けている状況。これを変えなければ私たちの生活は苦しいままだと思う」

諸派の新人原田公成さんが所属するNHK党は税金や社会保険料の引き下げを政府に求めることを公約に掲げています。

私たちの生活に直結する物価高対策。果たして有権者の支持を集めるのは…参院選は7月20日に投開票されます。

NST新潟総合テレビ
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