8月で終戦から80年を迎えるのを前に、新潟市の高校で開かれた平和コンサート。ここで使用されたのは原爆が投下された広島で奇跡的に焼け残った被爆ピアノです。

新潟市中央区にある新潟中央高校の体育館に設置された1台のピアノ。

【氏田陽菜アナウンサー】
「爆心地からわずか3kmの場所で被爆したこちらのピアノ。生々しい傷跡もあり、下の方にはがれている部分もあるなど当時の状態がそのまま残っています」

原爆が投下された広島の街で奇跡的に焼け残った被爆ピアノです。

【調律師 矢川光則さん】
「今から80年前に広島に原子爆弾が投下され、一瞬にして多くの方が亡くなった。こういったことは広島だけではなくて、日本全国、世界に広めていかなくてはダメだということで、全国を回るコンサートを始めた」

被爆ピアノを修復したのは、調律師で被爆2世の矢川光則さん。平和のメッセージを伝えるため被爆ピアノとともに全国を回っています。

7月14日は音楽課の生徒が平和への願いを込めて被爆ピアノでの演奏を披露しました。

部品の交換は最小限にとどめているという被爆ピアノ。その歴史の重みが平和の尊さを伝える音色となって会場に広がっていきます。

【演奏した生徒】
「原爆が落ちて唯一残ったこのピアノを通して、このあってはならないことを身近に、自分事として考えてもらえたらいいかなと思う」

【演奏を聴いた生徒】
「世界が平和でいてほしいと思う」

【調律師 矢川光則さん】
「被爆ピアノとの出会いで皆さんに何か考えてもらえる、平和の種まきができたのではないかなと思っている」

コンサートは7月18日まで県内の学校など合わせて10カ所で開催されます。

NST新潟総合テレビ
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