新潟県小千谷市に工場を持ち、パワー半導体を製造する『JSファンダリ』が7月14日、東京地裁に破産を申請し、破産開始決定を受けました。500人を超える工場の従業員が解雇されるなど地域経済への影響が懸念されます。

2021年に設立された『JSファンダリ』は、かつての新潟三洋電子である小千谷市の工場を取得し、電力制御などに使われるパワー半導体、ウエハーの製造を手がけていました。

大型の設備投資を計画し、県から総額5億8400万円の補助金を受けるなどして事業拡大を目指していましたが、市況の悪化などを背景に採算面で課題を抱え、2023年12月期には31億4000万円の売り上げを計上した一方、13億7200万円の最終赤字に。

負債総額は約161億円に上り、帝国データバンクによりますと、県内関係企業の大型倒産では2020年に約577億円の負債を抱え、民事再生法の適用を申請したダイヤメット以来となります。

新潟工場の500人を超える従業員は7月14日付で解雇されていて、地元の住民からは地域経済への影響を懸念する声が聞かれました。

【地元住民】
「地方がどうのこうの言われているときに、またああいう大きい会社がなくなれば、仕事をする場所がなくなる。大変」

【地元住民】
「知らなかったのでびっくりしている。周りにも働いている人がいるので心配。連絡してみようと思う」

JSファンダリの破産を受け、小千谷市の宮崎悦男市長は「半導体関連産業は地域経済を支えてきた最も重要な産業の一つ。可能な限り、雇用が継続されるよう情報収集し、協議している」とコメントしています。

【小千谷市 宮崎悦男市長のコメント全文】
「本日、破産申し立てがありました株式会社JSファンダリは、その前身である三洋半導体製造株式会社の時代から、市内で最も多い500名を超える従業員を雇用し、長年、アナログ・パワー半導体製造業界の発展に多大なる貢献をされてきました。
当市にとって、半導体関連産業は地域に多くの雇用を生み出し、地域経済を支えてきた最も重要な産業の一つと考えております。

この度、創業する段階から支援してまいりました株式会社JSファンダリが、このような形で破産申し立てをし、従業員を即時解雇したことは、大変残念に思っております。

現在、可能な限り雇用が継続される方法を見出すため、関係者から情報収集し、協議をしております。

また、敷地内には、複数の企業が操業しており、今後の継続的な稼働についても、関係者と協議をしております。

半導体関連産業の再建と雇用の確保、敷地内にあります企業の継続的な稼働について、全力で取り組んでまいります」

NST新潟総合テレビ
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