2024年、陸上七種競技の女王クイーン・オブ・アスリートに輝いた倉敷市の熱田心選手(岡山陸協・23)が、日本選手権の2連覇に挑みました。
〇競技前日会見
(熱田心選手)
「今年(2025年)は(9月に東京で)世界陸上がありますし、参加標準記録を出すのは厳しいが、まずは開催国枠を狙える5976点を出すことと、2連覇が目標」
2024年、陸上日本選手権の七種競技で初優勝を果たした熱田心。7月11日の競技前日の会見で自身を鼓舞するように大きな目標を口にしました。
女子の七種競技は2日間で、7種目の総合得点を争う過酷な競技。走る力はもちろん筋力や跳躍力も求められ、優勝者はクイーン・オブ・アスリートと呼ばれます。
22人が出場した2025年の日本選手権、最初の種目は100メートルハードルです。熱田は3組3レーン。13秒79が自己ベストで、最低でも13秒台を出したいところですが、結果は14秒21と厳しいスタートとなります。
1日目の残りは走高跳び、砲丸投げ、200メートルの3種目。1種目が振るわなくても他の種目でリカバリーできるのが七種競技の面白さですが、走高跳びで1メートル64、砲丸投げで11メートル55と、3種目を終えていずれの記録も優勝した2024年を下回りました。
いま一つ、調子が上がらない熱田。1日目の最終種目、200メートル(25秒61)を終えて異変が…。走り終えた後、右足をかばうような動きを見せます。1日目は3195点で4位、目指していた3400点には大きく足りていません。
(熱田心選手)
「ケガをしているからというのを競技前から言うのは嫌だった。それでも勝負できると思っていたし、そのつもりでここに来た」
熱田は実は約2週間前に右ひざを痛めていて、初日の競技を終えて歩くだけで痛むほど悪化していました。
2日目のスタートは得意種目の走幅跳び、6メートルを十分に超える力をもっていますが、1回目の記録は5メートル58、熱田は残り2回の試技をパスします。
(熱田心選手)
「私はすごく負けず嫌いで、途中で離脱するのは、自分としてそういう姿を見せたくないし、どんな結果であれ、やりきるのが七種競技だと思うので、苦しい時こそ頑張れるアスリートが本物だと思う。最後までやりきる姿をみんなに見てもらいたくて頑張った」
最終結果は5424点で3位入賞、2連覇はなりませんでしたが、最後まであきらめない姿を見せました。
(熱田心選手)
「6000点を出して、混成競技を盛り上げていけるような存在でいたいというか、そういう選手を目指して頑張りたい」
熱田選手は7月26日、27日開催のポーランドでの大会で海外初挑戦を予定しているということです。