ジン市場が急拡大する中、サントリーが工場を大幅リニューアル。
生産能力と品質の向上、そしてそれ以外の狙いとは。
暗闇の先に広がる、大人の雰囲気あふれるバーカウンター。
ところが、中ではバーらしからぬ“お茶をたてる”光景が。
実はここに、日本の匠(たくみ)の技を世界へと伝えるある試みがあるのです。
飲料大手サントリーの大阪工場。
創業100年を超えるこの工場が、6月に大幅リニューアル。
ここで造られているのが、カクテルのベースとしても人気の高いお酒「ジン」です。
ジンの国内市場は急成長していて、ここ5年で市場規模は約3.5倍の250億円に。
ジャパニーズジンは世界からも注目されていて、特に「ROKU〈六〉」は高価格帯のジンとして世界で売上数2位となるなど人気となっているんです。
サントリー スピリッツ・ワイン商品開発研究部 伊藤定弘部長:
今回、大阪工場のリニューアルによって、生産能力の向上、美味品質の向上、また、ものづくりの現場をお客さまに見ていただけるようになった。
総額65億円をかけた今回のリニューアル。
生産能力や品質の向上はもちろんのこと、ポイントはずばり「ジャパニーズジンの魅力を伝える」ということ。
国内のみならず世界に日本のものづくりの思いを伝えたい。
2026年春ごろからは工場の見学ツアーをスタート。
今回、一足早くのぞかせてもらいました。
部屋には、この工場で造られているさまざまなお酒が並び、ROKUの原材料なる煎茶や玉露、さんしょうの他、普段はなかなか見ることができないジンの香り付けの要となるジュニパーベリーも。
そして、部屋の奥へと進むと、そこには巨大な蒸留釜が。
釜の中では、原料となるお酒の蒸留が進んでいて、ジンの製造現場を生で体感できます。
そして、セミナールームでは、360度の大画面にROKUの原料となる桜やゆずの映像が。
大迫力の映像を間近で見ながらジンのテイスティングを楽しむことができるんです。
ジャパニーズジンの魅力を味わって、そして肌で感じることができるこの施設。
実はこうした取り組みは他にも。
外国人の旅行客も多い東京・高輪のホテル内にオープンした1年間限定のコンセプトショップ「茶室BAR ROKKAN by ROKU GIN」。
事前予約制の体験コースでは、ROKUの素材の香りやものづくりについて茶会の流れを通して体感できる他、最後はバーで季節のカクテルを堪能できます。
こちらのバーは体験コースを予約しなくても利用でき、ちょっと大人な雰囲気の空間でジャパニーズジンを存分に楽しむことができます。
サントリー スピリッツ・ワイン商品開発研究部 伊藤定弘部長:
世界でも、やはりジンはすごく飲まれていますし、ジャパニーズスピリッツも非常に注目されています。日本に来ていただけるお客さまが増えていく中で、現場で日本の我々のジンを見ていただけたらなと。
こだわりの味を生み出し、その魅力を多くの人に伝える。
ジャパニーズジンに世界から熱い視線が注がれています。