就活の思い出を川柳で表現

9月29日、第一生命が発表した“これからサラリーマン川柳”。

2021年4月に社会人となる学生たちが、就活の思い出や苦労を川柳で表現。そこには、オンライン面接に戸惑いながらも、新様式になじもうとする学生たちの本音があった。

この記事の画像(10枚)

スーツ着て 向かった先は ディスプレイ (まい)

意気込んで Wi-Fi途切れ 固まった (ほの)

2020年は、新型コロナウイルスの影響で就職活動も大きく変化した。オンライン面接をとり入れる企業も多く、「変わる就活」に戸惑う心情を詠んだ句が多く寄せられた。

オンラインならではの対策やハプニング

WEBの時差 相づち代わりに 超笑顔 (牛タン)

川柳を詠んだ学生:
普段、人と話をするときは『うん、そうだよね』と声に出して相づちを打っていますが、それをオンライン面接でやってしまうと、面接官の声と自分の声が重なってしまい、面接官の声が聞こえないという問題が生じてしまうことがわかった。どのようにすれば“ちゃんと聞いている”というアピールができるか考えたときに思いついたのが、“超笑顔でいること”でした。

そんなオンライン面接ならではの対策もあれば、ハプニングを詠んだ句も。

面接中 「パパー(^^)」の声に 癒やされる (大きな谷の住人)

ウェブ面接 外で聞き耳 立てる親 (渚)

ピンポンと 面接中に 来訪者 (21卒)

Wi-Fiの 調子で決まるよ 人生が (ぺり)

工夫したこと、慌てたことも・・・

ニューノーマル時代の就活。
学生たちからは、さまざまなエピソードも語られた。

川柳を詠んだ学生:
マスクをしていると、顔の下半分(のメイク)がおろそかになり・・・一度、とあるところで透明の壁(間仕切り)があるので『マスク外してもらって結構です』と言われた時、“ヤバイ(マスクの下の化粧が)ちょっと薄かった”というハプニングがありました。

川柳を詠んだ学生:
面接用に新しく白い照明を購入したり、家に白い壁がないので模造紙を4枚ほど貼り付けて、自作の壁を作って、カーテンを右と左に左右つるして、快適な写真ボックスのような形式にして、少しでも照明がよく当たるように心がけてみました。

時代とともに変わる就活の形。
しかし、就活生の思いは、いつの時代も...。

待ち遠しい 画面の向こうに ある御社 (きむちゃん)

オンライン慣れしている世代は即戦力

三田友梨佳キャスター:
マーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞きます。
いま就活はオンラインがメインになっていますが、渡辺さんはどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
川柳見てもオンラインの苦悩が見て取れますよね。
リアルな面接ができないので、情報不足によるミスマッチ雇用が生まれやすくなっています。

就活生も企業の採用側も不安に思っている場合が多いんです。
ミスマッチ雇用は早期退職を生み出す可能性が高く、その部分も注意しなくてはいけない状況になっています。
なので、内定を決めた後にどれだけコミュニケーションを密にきっちりやるかというところが、就職までの大事な期間になってくると考えます。

渡辺広明氏
渡辺広明氏

三田友梨佳キャスター:
内定して入社までの期間もコミュニケーションを充実させるということですよね。
一方で、オンライン就活というこれまでに無い経験をした新人が入社することについてはいかがですか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
これは大変苦労したと思いますが、ビジネス自体がテレワークになってオンラインに移行しています。
固定概念を持った先輩社員の方々はすごくテレワークで苦労していますが、すでに就活でも授業でもオンラインに慣れている世代というのは、すんなり業務に入りやすいので、逆に働きやすい環境で仕事ができると思います。

ニューノーマルのビジネスの中で、新しい幕を開ける世代として、僕はこの世代に期待しています。

(イメージ)
(イメージ)

三田友梨佳キャスター:
情報社会で育ってきた新入社員からは逆に学ぶことも多いかもしれませんし、ビジネスのあり方も大きく変わってきている中で新入社員をどうやって活かしていくのか、企業側も問われるのかもしれません。

(「Live News α」9月29日放送分)