腕や足の至る所にできた赤い斑点。この刺されたような痕は、人間の血を好む厄介な虫の仕業とみられています。この暑い時期は特に注意が必要です。

「イット!」は被害に遭った女性に話を聞きました。

吉見千恵さん:
100カ所以上あると思います。胸のあたりもそうですし、おなかもありますし。本当に全身です、私は。十中八九トコジラミなんですけど…。

赤い斑点は、トコジラミとみられる虫に刺された痕です。
体長1cmに満たないトコジラミ。
夜行性で、人の血を好んで吸い、刺されると強いかゆみや赤い痕が残ります。
一度に複数箇所刺されることも珍しくありません。

被害に遭った吉見さんは6月、友達と東北地方の温泉に旅行。
その際の宿泊先で刺されたのではないかと考えています。

吉見さんの腕や足には刺された痕が無数にあり、赤く腫れ上がっているのが分かります。

吉見千恵さん:
最初の1週間、全身かゆくて、どうしようもなくて、あまりにもかゆかったからシャワーを浴びて背中をゴシゴシしながらかゆみ抑えるために1日に何回もシャワーに入って。我慢できないし、精神的にしんどかった。

眠れないほどのかゆみが続き、2週間以上経った今も治まっていないといいます。

トコジラミの被害相談は年々増加していて、2023年初めて1000件を超え過去最多となりました。

吉見さんと一緒に温泉旅行に行った小幡さんもひどいかゆみに悩まされています。

小幡真由美さん:
蚊に刺されてかゆいとは比べものにならないです。かゆくて目が覚めるんです、2~3時間たつと。薬を何度塗っても1時間もたないですね。かゆくてかゆくてイライラするし、気分が落ち込む感じでした。

2人が宿泊した温泉旅館側の説明では、月に一度、害虫駆除を行うなどしっかり対策をとっていたといいます。
それでも防げなかったトコジラミとみられる被害。

日本ペストコントロール協会・谷川力技術委員長は、「よくあるのがホテルで発生したり、不特定多数の人が使うところが非常に多い。例えば海外に旅行に行った方がかばんに付いてきてしまったもの」と分析します。

加えて、暑い夏のこの時期は特に注意が必要だといいます。

日本ペストコントロール協会・谷川力技術委員長は、「夏場にピークを迎えますので、6月、7月ごろから増えてきて、ピークは8月ごろだと思います。昆虫というのは暖かくなれば活動が活発になりますから」と話しました。

一度刺されると強いかゆみに苦しむことになるトコジラミ。
もし見つけたら殺虫剤で駆除するのが最善の手だてだということです。