7月6日から、お二人そろって初めてモンゴルを訪問されている天皇皇后両陛下。

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9日は、ウランバートル郊外にある、日本の支援を受ける公立学校に足を運ばれ、子供たちの授業をご覧になりました。パソコンで絵を描く子供たちに、「真ん中は富士山ですか?」と声をかけた雅子さま。

それぞれ違う“富士山”を描く姿に、「とても個性的…コンピューターの授業は楽しいですか?」と笑顔で問いかけると、子供たちも少し照れたような様子で、「好きです」と答えました。

ビオラ演奏に込めた陛下の“思い”

戦後80年を迎えた今年、両陛下がモンゴルを訪問されたことには、深い思いがありました。

第2次世界大戦後、旧ソ連軍の捕虜のうち1万4000人の日本人がモンゴルに連行され、抑留、1700人以上が亡くなっています。
両陛下はモンゴル到着後、日本人の慰霊碑を訪れ、深く拝礼し犠牲者を悼まれました。

8日には、国賓として招かれた両陛下のために、盛大な歓迎式典が開かれ、羽織袴姿の元横綱の日馬富士さん、白鵬さん、そして、民族衣装をまとった朝青龍さんの姿が…。

元横綱 白鵬さん:
園遊会で会ったことを覚えていて下さいまして、言葉いただきましたから、本当にうれしく思います。

元横綱 朝青龍さん:
(天皇陛下の)モンゴル訪問、こんなにめでたいことはないんじゃないでしょうか。モンゴル人として本当に誇りに思います。

宮中晩さん会で、モンゴル語を交えてお言葉を述べられた天皇陛下。
ステージでは、モンゴルの伝統楽器「馬頭琴」の交響楽団と愛用のビオラで共演されました。

2007年のご訪問の際には、サン・サーンスの「白鳥」を演奏されましたが、今回奏でられたのは、日本で広く愛唱され続ける叙情歌「浜辺の歌」です。

陛下は、現地到着後も直前まで練習を重ねられていたといいます。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
この曲(浜辺の歌)というのは、日本の歌(百選)というものにも選ばれているもので、モンゴルにいた日本の方々に対しても、郷愁を呼び起こすものであり、海のないモンゴルに対して、日本の情景を示された曲なのかなと。
モンゴルで抑留され、そこで亡くなられた方々がたくさんいたと。その人たちを悼むお気持ちというのが、今回のご訪問の中であらわになってきたと感じています。
(「サン!シャイン」 2025年7月10日放送)